「大の里を誰も止めることはできない。初優勝確率は95%」…元大関・琴風が千秋楽を占う
◆大相撲 ▽夏場所14日目(25日、東京・両国国技館) 新小結・大の里(23)=二所ノ関=が、初優勝に王手をかけた。東前頭10枚目・湘南乃海(26)=高田川=を押し出して、3敗で単独首位を堅持。千秋楽で関脇・阿炎(30)=錣山=に勝てば、幕下10枚目格付け出しでの初土俵から7場所目となる、史上最速での初優勝が決まる。大の里が敗れれば、最大4人による優勝決定戦の可能性があり、そうなれば1997年春場所(貴乃花=優勝、曙、武蔵丸、魁皇)以来。スポーツ報知評論家の元大関・琴風が、賜杯の行方を占った。 【夏場所】番付&星取表 * * * * * 大の里を誰も止めることはできないだろう。好調な湘南乃海が何もできなかった。単独トップ。千秋楽はくせ者の阿炎と対戦するが、数々の千秋楽でのドタバタ劇を見てきた身としても大の里の初優勝の確率は95%と予想する。 大銀杏も結えない怖いもの知らずは、まだ優勝の価値、賜杯の重みを理解していないような気がする。長く土俵に立っている力士は優勝が重くのしかかると押しつぶされそうになってしまうが、デビューして7場所目の大の里は何の気負いもなく土俵に上がってくる。まだ、ちゃんこの味に染まっていない。焼き肉やラーメンの香りが残っている大の里が、重圧のない土俵で力をフルに発揮するとみる。 残り5%は大関・琴桜が阿炎に負けた一番の残像が、大の里の脳裏に残っていることだろう。土俵際で素早く体を入れ替えた阿炎の相撲を見て、大の里の出足が鈍る可能性もある。阿炎には立ち合いの変化、もろ手からの突っ張りに鋭いいなしもある。身のこなしも軽く、稽古で作り上げた体は突っ張りに重さを加えている。勝負度胸も角界ではトップクラス。大の里が負けるとしたら阿炎の影を意識した時だ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
報知新聞社