【ニュージーランド】日本企業の宇宙ごみ除去衛星、NZで打ち上げ
日本の宇宙ベンチャー、アストロスケールは19日、宇宙ごみ(スペースデブリ)の商業除去実証衛星「ADRAS―J(アドラスジェイ)」をニュージーランド(NZ)から打ち上げ、軌道投入に成功した。実際のデブリに安全に接近し、状況を明確に調査する世界初の試みだという。 衛星は、NZで創業した米国の航空宇宙企業ロケットラボのロケットで、同社がマヒア半島に保有する第1発射施設から打ち上げられた。 アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証フェーズ1の契約相手方として選定され、ADRAS―Jを開発。軌道上のデブリに近づき、観測するための技術・運用を試験するために設計された衛星で、今回のミッションでは、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮影を行う。 対象となるデブリは、日本が2009年に打ち上げたH2Aロケットの上段(全長約11メートル、直径約4メートル、重量約3トン)。位置情報を発信していないため、正確な位置情報を取得することができない中、ADRAS―Jは地上からの観測データや搭載センサーを駆使して接近する。