北朝鮮が弾道ミサイル発射、外相訪問中のロシア向けに実演との指摘も
(ブルームバーグ): 北朝鮮は18日、短距離弾道ミサイルを数発発射した。同国外相がモスクワを訪問した直後で、ロシアに供給しているとされる兵器を誇示した形だ。
韓国軍合同参謀本部がメディア向けに送ったテキストメッセージによると、北朝鮮は現地時間午前6時50分頃から日本海に向けて複数のミサイルを発射。ミサイルは約400キロ飛行したという。日本の海上保安庁は、少なくとも2発の弾道ミサイルが発射され、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したと説明した。
北朝鮮、弾道ミサイルの可能性あるもの発射-既に落下 (2)
ミサイルの軌道は短距離弾頭ミサイル「火星11」シリーズに似ていた。兵器の専門家は、高い精度で目標に確実に命中させることが可能だろうと指摘した。
韓国はこの発射を「挑発的行為」と非難し、米国および日本と情報を共有して分析を進めていると明らかにした。北朝鮮は通常、ミサイル発射について翌日までコメントしない。
ミサイル発射の前日、崔善姫外相は北朝鮮の主要支援国であるロシアに向かった。崔外相はめったに外遊をしないが、訪ロは1年足らずの間で2度目。1月の前回訪問時にはプーチン大統領と会談し、ロシアのウクライナ侵攻を助けるための兵器供給を促進することが話し合われたと、米国とその同盟国はみている。
ロシア国営タス通信の報道によると、崔氏は今回のモスクワ訪問でラブロフ外相と「包括的戦略パートナーシップ」について協議した。プーチン大統領と会談する予定はないという。
北朝鮮は10月7日に最高人民会議(国会に相当)を開き、韓国との緊張を高める措置を承認する見通しだ。これに対する支持を求めている可能性もある。
最高人民会議では憲法改正が正式に認められるとみられている。金正恩朝鮮労働党総書記は1月に開催した前回の最高人民会議で、憲法から韓国との「平和的統一」の概念を削除するよう求め、武力衝突の舞台となってきた海上の軍事境界線付近の管轄権を主張した。