プロ初昇格の阪神・野口恭佑が岡田彰布監督に恩返し宣言「しっかりと気持ちを引き締めてやりたい」
秘蔵っ子の誓い! 阪神・野口恭佑外野手(23)が28日、プロ2年目で初めて出場選手登録された。2023年に育成ドラフト1位で九産大から入団し、同年秋に支配下昇格をつかんだ。ヤクルト戦(神宮)は降雨のため、今季5度目の中止。岡田彰布監督(66)は球宴までの19試合で〝新戦力〟の見極めをすると明言した。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 連覇可能かどうかの分岐点で〝新戦力〟がやってきた。虎を目覚めさせ、優勝請負人になれるかどうか。ドラフト会議で指名されてから617日。初めて1軍公式戦の舞台に足を踏み入れた。2年目の野口がりりしい顔で決意を語った。 「もうやっていくだけです。しっかりと気持ちを引き締めてやりたい。バッティングで一番アピールできたらと思います」 ノイジーと入れ替わって出場選手登録された。ヤクルト戦は雨天中止となったが、室内練習場でのフリー打撃をみた岡田監督は「ええやん」を連発。「悪いときはホームランも出んと低めの変化球のボール球ばっかり振っていたけど」と話し、成長の跡が「見える、見える」と褒めちぎった。 「欲を出しすぎるとあまりよくないので、とにかく一打席一打席、集中していきたい」と野口。2023年育成ドラフト1位で九産大から入団。同年の秋季キャンプ期間中にアピールして支配下登録を勝ち取った。戦力と判断されても翌年の開幕直前まで保留されるのが通例だが、岡田監督は1軍春季キャンプ行きを明言し「3桁の背番号って、かわいそうやんか。1軍でやる中では」と親心。背番号97となった野口は「1軍の舞台で早くプレーできたら」と恩返しを誓っていた。 今季はウエスタンで打率・308、1本塁打、26打点。指揮官に昇格のあいさつをした野口は「やっとヒットらしいヒットが打ててきたな」と言われて「期待に応えられるように頑張ります」と気持ちを高ぶらせた。 「オールスターまでが一つの区切りやで」と岡田監督は青写真を描く。チーム打率・220。27日の中日戦(甲子園)では不振の近本を欠場させ、監督通算700勝をもぎとったが、貧打を完全に抜け出したわけではない。大山、佐藤輝にも一時2軍行きを命じ、今月中旬にはプロ3年目の豊田を昇格させるなど現状打破へやりくりしてきた。球宴までの19試合が勝負と位置づけた中で〝秘蔵っ子〟の野口にかけた。 野口は苦しい時期を乗り越えた。オープン戦で結果を出せず、開幕は2軍。公式戦に入っても状態が上がらず、足首も打撲。「沼に入って抜け出せない」と思う時期もあったが、実戦を離れたことで心身ともにリフレッシュすることができた。阪神の育成ドラフト出身が1軍出場すれば6人目(野手は5人目)。デビュー戦でHランプを灯せば初だ。それだけ野口には夢と希望がある。