待望のスズキ新型「DR-Z4S/Z4SM」登場! 400ccトレール/モタードがグローバル復活〈ミラノショー〉
ユーロ5+に適合したエンジンは電子制御も充実
デュアルスパークプラグを採用する水冷398cc単気筒エンジンは、従来よりも低回転域のトルクを強化したうえで、最高出力が発生する回転域を超えてからのパワーの落ち込みを少なくし、スムーズな伸び切り感を手に入れた。 これを実現するためにφ42mmの電子制御スロットルボディやチタン吸気バルブ、中空ナトリウム充填排気バルブ、新設計の軽量ピストンなどを採用。吸気通路の見直しや10穴インジェクターもこれに貢献する。 このほかスズキクラッチアシストシステム(SCAS)や新しい二重壁設計のエキゾーストパイプ、デュアルステージ触媒(仕向け地によって採用)など、内燃機関部分以外にも多く手が入れられた。 最高出力自体は以前のモデルの40ps/7500rpmから38ps/8000rpmになったが、パワーグラフを見ると中速が盛り上がっていたトルク特性を全域に繋がりよく配置した感じだ。WMTCモード燃費は、ブロックタイヤのDR-Z4Sが28.4km/L、スムーズなオンロードタイヤのDR-Z4SMが29.4km/Lとなっており、容量8.7Lの燃料タンクでの航続距離は247kmと十分だ。 電子制御はスズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)と総称され、出力特性を3段階に切り替えられるSDMS=スズキドライブモードセレクター(最高出力は変わらない)、グラベルモードを含む3段階+OFFのSTCS=スズキトラクションコントロールシステム、スターターボタンをワンプッシュするだけでエンジン始動までセルモーターが回るスズキイージースタートシステム、ON/OFF可能なABS(DR-Z4SはリヤのみOFFも可能)を備える。 上記のトラクションコントロールシステムは、DR-Z4SとDR-Z4SMそれぞれに特性が変えられていて、とくにG(グラベル)モードではかなり異なる特性になっている。 Gモードはオフロード走行中に一定の後輪スピニングを許容し、不用意なパワーカットを感じさせない設定。点火時期を遅らせる制御により、スロットルコントロールできる範囲が広く、自信を持ってスライドコントロールができるようになっている模様。DR-Z4Sはスピニングの許容度が少しだけ狭い代わりに起伏のある地形でも効果を発揮し、DR-Z4SMのほうはよりスピニング許容度が高くフラットダートに重点を置いた設定だ。