[ハリウッド・メディア通信] Z世代の男らしさ 映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』ポール・メスカルの魅力
『グラディエーターII』の体作りに与えられた12週間
俳優はどのようにして役づくりのための体を鍛えるのか。メスカルのトレーナーは『300 スリーハンドレッド』のジェラルド・バトラーのトレーナーでもあった元英国海軍出身ティム・ブレイクリーで、ロンドンのメディア・フィジークスというジムの創立者。 ポール・メスカルはもともと歴史が好きで、ローマ帝国の話で描かれてきた登場人物像にも理解が深い。役作りをする中で、どんな体にしていくかはしっかり心に決まっていて、マーベルコミックのようなアニメで描かれる筋肉もりもりのボディではなく、ラグビープレーヤーのような強くてフィット、素早い動きを可能にする体型を欲していたそうだ。しかし5、6ヶ月かけて体つくりできるならまだしも、12週間で戦闘士の役を演じるための課題は気の遠くなるようなものだったそう。 撮影準備期間中、ロンドンのウエスト・エンド・シアターのテネシー・ウィリアムズの戯曲「欲望という名の電車」の舞台上演もすでに決定していて、夜は舞台、昼間はトレーナーとともに役作りのためのボディビルディングをはじめたメスカル。胸板づくりには、ダンベル、インクライン、プレスとケーブルフライ。ディップス・エクササイズで全体の筋肉を鍛え、アリーナを走り回るには足を鍛えるのも大事。足を鍛えればパンチ力もそこからくるのだと、炎天下のモロッコでの撮影で全力投球できたのもトレーナーの指導のおかげで、信頼関係が友情に発展するほどに楽しい間柄となったことを語っていた。体作りに必要なダイエットはプロテインの多い卵や肉、魚を中心にしながら、好きなお酒も楽しみつつ脂肪を減らすことに成功しながら約10キロ体重増量を実現。スタントの部分は『ボーン・アイデンティティー』(2002)シリーズや『007 スカイフォール』(2012)のファイト振付師で有名な女性スタント・コーディネーターのニッキー・バーウィックがコーチ。ハリウッド大作にマッチした迫力満点の体当たり演技は、「メスカルファン」の目にも麗しく映るに違いない。
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