ロシア軍、北朝鮮兵含む5万人部隊を露西部クルスク州に集結…近く大規模攻勢に踏み切る可能性
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は10日、ロシア軍が露西部クルスク州で越境攻撃を続けるウクライナ軍から領土を奪還するため、北朝鮮兵を含む計約5万人の部隊を集結させており、数日内に大規模な攻勢に出る可能性があると伝えた。米国とウクライナ両国の当局者の話として伝えた。ロシアに派遣された北朝鮮兵を巻き込んだ戦闘が激化するとみられている。
ウクライナは8月に始めた越境攻撃に、1万人超を投じて一時、クルスク州内の1250平方キロ・メートル以上を制圧したとされるが、同紙によると、露軍は約半分を奪還した。ただ、プーチン露大統領が8月、「領内から敵を追い出せ」と撃退を命じたものの、実現できていない。露軍は北朝鮮兵も投入し、自国領からのウクライナ軍の完全撤退を狙うとみられる。
プーチン政権にとっては、ウクライナでの戦闘終結を公言してきた米国のトランプ次期大統領の就任前に、交渉に有利な条件を整える狙いもありそうだ。
同紙によれば、クルスク州に配備された1万人以上の北朝鮮兵は攻撃部隊と後方支援部隊で構成される。米国当局者らによると、北朝鮮兵には60ミリ迫撃砲やAK12カラシニコフ銃、暗視装置などが支給された。多くの北朝鮮兵は歩兵として戦う見通しで、被害も甚大になる可能性が高い。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5日のビデオ演説で、北朝鮮兵とウクライナ軍が初めて交戦したと明らかにしていた。ウクライナのルステム・ウメロフ国防相は、最大1万5000人規模の北朝鮮兵がクルスク州に展開する可能性があると指摘していた。