気象予報士が選ぶ今年の漢字は「暑」 観測史上“最も暑い年”はほぼ確実 来年はさらに暑くなるのか
先ほど、その年の世相を表す「今年の漢字」が京都市東山区の清水寺で発表され「税」に決まりました。 ABCウェザーセンターでは、今年の気候を表す漢字を“勝手に選定”してみました。まずは候補を募ってみたところ。。 「暑」(統計開始以来最も暑い夏) 「変」(気温変動大、エルニーニョに猛暑は変) 「異」(異常気象、異次元な暑さ) 「沸」(地球沸騰化) 「猛」(猛暑、猛虎、猛牛) 「怒」(地球が怒っている) 「炎」(地球が炎上している) など過激な意見も出てきました。 今年は1月から暑いくらいの日が出始め、3月になると春を通り越して、初夏の陽気が多く、観測史上1番の暑さとなり、大阪でも桜は観測史上1番の早さで咲いてしまいました。 夏は7月下旬をピークに暑く、38度以上の日が4日も出てしまったのは、観測史上1番の多さ。 そして、9月になっても真夏が継続。事実上、夏は1ヵ月延長してしまいました。 10月はさすがに涼しくなったものの、11月上旬は再び夏の様な暑さになり、いつになったら秋がくるの?という声も聞かれました。 その後、寒くなったと思ったら、12月になって20度越えが続出するなど再び季節外れの暖かさに。 観測史上最も暑い年になることはすでに確実となっており、単に「暑」だけでは済まされないようなレベルです。 「沸」や「炎」など過激な言葉でも納得できます。 ただ、ここで大きな問題があります。地球温暖化はほぼ予測通りに進んでおり、来年は今年よりさらに暑くなる可能性が高いのです。 もちろん、気候変動にはゆらぎがあり、年単位では涼しくなる年もありますが、十年単位では確実に暑くなっています。 例えば、今年を「炎」としてしまうと、来年以降はさらに過激な漢字が求められ、もうきりがありません。ですので、今年は「暑」にしといたろと思います。
ちなみに、年の瀬も近づきつつありますが、季節外れの「暑」が再び15日(金)にやってきます。 この日は、日本海を低気圧が通過するという、まるで春一番のような気圧配置になり、季節外れの暖かい空気が流れ込みます。 大阪では21度まで上がる予想で、10月並の暖かさとなりそうです。 しかし、その後も大変。 16日(土)に雨が降った後、17日(日)からは気温急降下、真冬並の寒さが続きそうです。 季節になおしますと、15日(金)は10月並のポカポカ陽気ですが、17日(日)は1月並の厳しい寒さと、たった3日間で3ヵ月季節が進むことになります。 今週の「暑」のうちに、日曜日以降の寒さへの備えをするようにしてください。 (ABCウェザーセンター 気象予報士 吉田裕一)