【猛暑爪痕】野菜育成にも深刻な影響…発芽不調や成長遅れにコスト上昇の追い打ちが末端の食卓まで波及(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
連日続いた猛暑の影響により、私たちの食卓に欠かせない野菜の生育に、今、深刻な影響が出ています。そのため、店頭では値段が上がり家計を直撃しています。 10月になっても夏日が続くなど長期間にわたって暑さが続いた2024年。焼津市内の農園では冬野菜に異変が起きていました。年間20種以上の野菜を栽培しているといいますが…。 (三和農園 河村 亮さん) 「こちらがサニーレタスの苗なんですが、9月上旬に種をまいたものなんですが、御覧の通り芽が出ていない場所が沢山あります」「(レタス栽培を)10年以上やっているが、レタスでここまで芽が出なかったのは初めての経験」 2024年は野菜が芽を出すのに適切な気温を超える日が続いたため、発芽率は前年と比べ半分に減ってしまい、収入も半減したといいます。 (三和農園 河村 亮さん) 「種をまいた翌日の気温が確実に分かれば調整できるが、これは本当にわからないので、今のところ毎年同じタイミングで種をまいている」 また、冬野菜のブロッコリーや白菜の苗も成長が遅れていることから、安定して収穫できる時期は例年よりも2、3週間ほど遅れるのではないかと話しています。野菜収穫が減ったことで販売価格にも変化が…。静岡市内のスーパーでは、白菜やホウレンソウといった葉物野菜などが値上がりしています。 (田子重 西中原店 増田 克己 店長) 「値上がりしている物は2割ぐらい、高いものでは4割ぐらい高くなっている野菜もあります」 毎年のように野菜が値上がりする状況に消費者は…。 (買い物客 ) 「寒くなってきて鍋物の食材なんかが買いたいなと思うが」「キノコ類を多く使ったりとか代用できる食品で工夫していくしかない」 この値上がりは、しばらく続く見通しだということで、店では、客が購入しやすいように商品を小分けにして販売するなど工夫しています。 一方、全国から野菜や果物などが集まる静岡市中央卸売市場。担当者は、「野菜の値上がりは仕方のない」と話します。 (静岡VF 鍋田 利明 営業本部長) 「みなさん(野菜の値段が)高い高いと言っていますが」「生産者もどれだけのコストがかかっているかを一度認識をしていただいた中で、手取りが昨年よりも多いかというと少ないんですね」 人件費や燃料費の高騰の余波は、農業にも暗い影を落としているといい、それに追い打ちをかけて生産者を取り巻く状況にも悪影響が出ていると話します。 (静岡VF 鍋田 利明 営業本部長) 「昔の金額のままで行きたいのはやまやまなんですが、農家一人当たりの金額を考えると後継者が減ってしまう。そういうことがいえるんじゃないかと思います」 天候の変化に端を発した野菜の値上がり。その一方で、生産コストや後継者問題など、需要と供給のはざまで苦悩する農家の現状もありました。