「Columbia(コロンビア)」のリュック「キャッスルロック20」がベストセラーであり続ける理由
行楽に最適な季節になった。アウトドアショップに立ち寄ると、各メーカーから形状もサイズも多彩なリュックが売り出されている。用途なり、自分のニーズなりが明確なら形状とサイズで候補がいくつかに絞り込まれてくるが、「いい季節だから山歩きにちょうどいいリュックがほしい」といった、最大公約数的な基準だと判断に迷いがちだ。 そんなとき間違いない選び方のひとつが、定番として長く売れ続けている商品を選ぶこと。たとえば「Columbia(コロンビア)」の一見シンプルな「Castle Rock20(キャッスルロック20)」は、どこのショップでも売れ行き良好で在庫を欠かさないリュックの代表例といえる。そこで株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンを訪ねて、商品本部の中尾維志さんに製品の特徴を尋ねた。
必要十分な機能を備えて、容量20リットル、使い心地もよく適正価格
「たしかに『キャッスルロック20』は『コロンビア』のリュック、バックパックでいちばん売れているベストセラー商品です。長年にわたり売れ続けているロングセラー商品でもあり、素材や細部のアップデートはしていますが大きなモデルチェンジはしていません。じつは『キャッスルロック』という名称になった2015年より前にも、類似モデルが人気でした」
日帰りや1泊程度のハイキング(テントや寝袋など寝具を携行しない)には、容量20リットルあれば十分で、少し余裕があるだろう。貴重品、雨具、薄手の防寒具、食料少々、飲み水、ライト、サングラスといった必需品を入れて軽快に歩くには最適なサイズだ。
背面のパッドは左右に分かれており、中央に通気路を設けた通気性のよい構造になっている。アウトドアショップに行けば容量20リットル程度のリュック=バックパックがいろいろ選べて、背面がこのような構造になっている製品も最近はそれほど珍しくなくなったが、「キャッスルロック20」は一味違う。 「荷物を入れた状態でバックパックが「く」の字に曲がって背中を圧迫したり、逆に背中とバックパックの間が空きすぎて歩行と共にブレたり……形状が安定しない不都合をなくすために、背面のパッドのさらに奥、メインの気質の背面側に『ベルポーレン』と呼ばれるポリエチレン製のボードを入れてあります。 この『ベルポーレン』があるとないとでは大違いで、山歩きの快適さを担保するバックパックの適度な剛性を実現しています。もっと大きなバックパック、30リットル以上の製品には弊社では金属のフレームを入れるんですが、『キャッスルロック20』は強度と重量のバランスを考えて『ベルポーレン』を採用しています。市場には同じサイズで『ベルポーレン』の入っていないバックパックもいろいろありますね」 見た目が似ていても仕様が違うので、山歩きで実際に入れる荷物と同程度の重りなどで背負い心地を確かめて買うことが望ましいが、親切な専門店でないかぎりそこまでするのは難しい。ロングセラーでリピーターの多いバックパックを選ぶと、使い勝手の面で失敗することが少ない。もっとも、たとえば剛性より軽量性を第一に考えるといった、ニーズが明確なアウトドア経験者となれば話は別だ。