突然希少がんの宣告を受けた4歳の男の子 病気判明から退院までの苦悩を両親に聞いた
病気と闘うこうあくんと、治療を支える両親
治療を支えていく両親にとっても、さまざまな苦労がありました。隔離されたエリアにある半個室では、こうあくんと2人きりのため、気持ちをぶつけるところや話し相手がいません。孤立したような空間での付き添いは、頭がおかしくなると思うほどだったといいます。 こうあくんが痛がったり具合が悪かったりしたときもまた大変でした。1、2時間おきのオムツ替えや食事、大泣きするこうあくんを押さえつけるなど、メンタル的にきついことも続きました。 そんななかで退院がみえてきたとき、こうあくんもお母さんも頑張りすぎて号泣してしまったといいます。治療中はなんとか抑えることができた焦りや日々のイライラが、退院がみえたことで気が緩んだのか爆発。そのときもちょっとしたことがきっかけでこうあくんがパニックになり嘔吐。パニック中は何を言っても耳に入らず、次第にお母さんもパニック状態に。 退院前は口から食べられるようになる必要があり、こうあくんもお母さんも苦戦しました。そんな課題がストレスとなり、パニックで嘔吐してしまったときも「せっかく食べたものが…」という気持ちになってしまったというお母さん。 ほとんどお母さんが付き添っていましたが、看護師さんからの助言もありこのタイミングでお父さんと代わることに。付き添いが代わると食事量が増え、こうあくんもお母さんも息抜きできる場があった方がいいと感じたといいます。 退院するにあたり、医療従事者の方々やお友達など、支えてくれた人たちへの思いについて、次のように話しました。 「退院が近づくにつれ、辛い思い出が多かった病院での生活が気付けば第2の生活の場となっていたので、寂しい気持ちにもなりました。こうあによくしてくれた看護師さん、そしてこうあと関わることが多かった保育士さんにも感謝しています。元々の友人からも優しい言葉や励ましの言葉もありましたが、本音でいうと、当事者とその家族にしかわからない気持ちもあるのでこちらからあまり話しませんでした。治療中病院で仲良くなったママさんとは、たわいもない話や治療中の相談、思いを打ち明けていたので、頻繁に会えなくなる寂しさも強くなりました。それと同時に一緒にここを退院できるんだね!と嬉しい気持ちにもなりました。投稿する度に応援の言葉やアドバイスなどをもらい、SNSでもとても励まされ感謝の気持ちでいっぱいです」 また、治療を終えたこうあくんへの思いについて「病気が判明してから大きな手術、辛い治療を乗り越えてくれたこうあには『頑張ったね』と簡単には言えないくらい、どの言葉が相応しいのか悩むほどさまざまな感情があります。1番は『生きててくれてありがとう。それと同じくらい辛い治療を乗り越えてくれてありがとう』の気持ちが強いです」と話していました。
今後について
退院してから1年以内は再発率がとても高いといいます。今もまだ外出などに制限もあるため、やれることは限られているというこうあくん。 しかし、今後について「何があっても後悔したくない。制限もあるなかでも、こうあの『やりたい、したい』を実現できたらなと思っています。兄妹も含め家族5人で一緒に過ごせることの幸せを噛み締めながら日々生きていきたいと思います」と話しました。 大変な治療を頑張ってきたこうあくんとご家族。大変だった分、今後たくさんの笑顔に囲まれて過ごせることを祈るばかりです。
ほ・とせなNEWS編集部