紬大行進で商店街華やぐ 奄美市「紬の日つどい」 多彩な催しで魅力PR
1月5日は鹿児島県奄美市が提唱する「紬の日」。恒例の本場奄美大島紬PRイベント「第47回紬の日のつどい」(実行委員会主催)が同日、同市名瀬のアマホームPLAZAをメイン会場に開催された。紬姿の関係者約200人が中心商店街周辺を練り歩き、街中が華やいだ。メイン会場では多彩な催しが展開され、来場者に紬の魅力を伝えた。 イベントは、メイン会場を発着点に商店街周辺を練り歩く「紬大行進」で開幕。この日は最大9日間となった年末年始の連休最終日と重なり商店街の人通りも多め。足を止めて「紬の大行進」をスマートフォンのカメラで撮影する買い物客の姿も見られ、行進の参加者も笑顔で手を振って沿道の声援に応えた。 行進終了後、実行委員会長の安田壮平奄美市長は「(イベントを通じて)本場奄美大島紬の香りを街中いっぱいに届けてほしい」とあいさつ。 本場奄美大島紬協同組合の黒田康則理事長は「紬をより身近に感じてもらえるよう業界として取り組んでいく。職人の方々が胸を張ってやっていけるような時代をつくっていきたい」と力を込めた。
アマホームPLAZAの屋内ホールでは奄美高校郷土芸能部のパフォーマンスや、唄者の平田まりなさんによる島唄が披露された。紬美人の認定式、お楽しみ抽選会、八月踊りなどもあり、盛り上がった。 会場では紬反物と小物の販売、紬リフォーム作品の展示、着物の着付け、小物づくり教室、機織り体験なども行われ、親子連れなど多くの来場者が紬に親しんだ。 イベントに参加した奄美市明推協会長の屋宮重藏さん(78)は「明るい選挙の啓発を兼ね、会員約20人と紬姿で参加した。年1回、街が華やぐいいイベントだと思う」と話した。 関連する取り組みとして3~5日は、市内の複数店舗が紬着用者を対象に、さまざまな特典を用意。紬姿で、買い物や食事を楽しむ人たちの姿が各所で見られた。 「紬の日」は市民に紬の良さを再認識してもらうことなどを目的として、旧名瀬市時代の1978年に制定。本場奄美大島紬の2024年の生産実績(検査反数)は2379反。1985年以降は減産が続き、現在は最盛期の1%を下回っている。