デジタルファッションの最前線:「Tribute Brand」の先進事例と創設者が見据える未来
ブロックチェーンを活用して唯一無二の商品を一瞬で生成
ODDSは、Chromie Squiggleの情報に応じて、色の配置だけでなく、セーターの糸、編み目などが決定される。「ジェネラティブアートをフィジカルな衣服に変換させる」という、これまでになかった新たな試みはどのように実現したのか。 「私たちは、コンピューターによって生成されたデジタルの設計図に基づき、それぞれの衣服が唯一無二のものとなることを意味する『ジェネラティブ・ファッション』を構想し、実現するにあたって、ブロックチェーンベースのジェネラティブアートプロジェクトと協業する必要があると考えました。 そこで、ジェネラティブアートの中でも特に価値の高い「Chromie Squiggle」を生み出したアーティストであるErick Calderon氏に連絡を取ると、彼はすぐにこのアイディアを気に入りました。 特に彼が気に入ってくれたのが、単に唯一無二のデザインを衣服にプリントアウトするだけでなく、実際にChromie Squiggleのコードを使い、それを直接ニットウェアに埋め込むことで、コードによって生成されたデジタルの設計図が商品によってどのように違って見えるかを紹介するというアイディアでした。 今回の協業プロジェクトは1年以上かけて進められ、最終的にはTribute Brand独自のジェネレーターを開発し、Chromie Squiggleのソースコードをデジタル設計図に変換し、その設計図に基づいてユニークなセーターを製作する仕組みを完成させました」 NFTのIPやデザインを活用したアパレル製品は散見されるが、NFTの“データ(ソースコード)”を活用した商品はあまり見受けられない。 Tribute Brandは、NFTの唯一無二性と、ジェネラティブアートの技術を活用し、瞬時に世界で一つだけの商品を作ることに成功した。 ODDSは0.33ETH(約10万円)限定999個で販売され、現在は完売している。