脊髄損傷から1194日ぶりに復帰! 空牙が背中の手術痕を隠さず上半身裸で闘った理由は「恥ずかしい体でリングに上がりたくない」【週刊プロレス】
自分にとっては傷の一つひとつが誇りであり、自分が歩んできた証
大会終了後は取材に対し、このように語った。 「もちろん道場とかでも練習してたんですけど、それとは違ってこういう試合会場、お客さんを入れてのリング上っていうのは、みんなの声援や思いが伝わってくるっていうか、そういうのに背中を押されて練習以上に、道場以上に体が動いたかなと自分なりに思いました。スタミナ面ではしんどかったですけどね。1分だけでしたけども、アドレナリンっていうのはあるもんやなとつくずく思いましたね」 「自分自身、まだまだ引退したくないという思いもありましたし、リング復帰という目標があったからこそ、ここまで回復できたと思います。日常生活への復帰はできてましたけど、なによりファンの人が待ってくれてるっていう思い、気持ちを感じてましたし、それにこたえたいっていう思いがあったからここまでこれて、今日の日を迎えられたと思います。本当にファンの声援はありがたいですね。それが自分のエネルギーになって、ここまで回復できたと思います」 手術痕を隠さず、上半身裸でリングに立ったことに関しては、「応援してくれてるファンの方から『Tシャツ着てやらへんやろな?』って言われてましたし、恥ずかしい体でリングに上がりたくないっていうもありましたし。プロレスラーは体を見せてなんぼ。体を見てもらったら、何も言わずともどれだけやってきたかわかってもらえますから。手術以外の傷もありますけど、手術の傷も含めてここまでプロレスをやってきた証というか、そういうのが体に刻まれてるってことで。背中で見せるっていうのも自分のテーマにおいてるんで。自分にとっては傷の一つひとつが誇りであり、自分が歩んできた証。だから今日は、最初からフルコスチュームで、上半身裸でやると決めてました」 空牙の欠場中に大阪プロレスが本格的に再始動するなど、大阪のプロレス事情は大きく変化した。「ゼウスが大阪プロレスを再スタートさせて話題になりましたけど、道頓堀プロレスの選手もそれに負けないようにレベルアップしていってもらいたいし、自分が復帰した時には先頭に立って大阪プロレスの勢いを止めたいっていう思いで見てましたね。菊池悠斗や晴斗希がNOAHで頑張ってるのを見ると誇らしいですし、大阪プロレスに負けないように、ほかの選手ももっと力を合わせて盛り上げていかないとっていう思いですね」と、道頓堀プロレスのリーダーとしての立場からも語った。 「来年10月にデビュー30周年を迎えるので、それを待たなくてもいいんで完全復帰を次の目標に」と本格復帰へ向けて第一歩を踏み出した空牙。最後は「自分が戻るリングを守ってくれた道頓堀の選手、スタッフには本当に感謝してます」と、無事に試合を終えての笑顔を見せた。 橋爪哲也
週刊プロレス編集部