発がん性指摘される有機フッ素化合物「PFAS」 異例の水道水全国調査へ 「広範囲に広がることが問題」
■大阪・摂津市では国内で最も高い含有量を記録 「すぐに健康被害がでる可能性は低い」と専門家
関西でも「PFAS」は広がっています。 京都府綾部市の川では、去年の水質調査で、目標値を上回る「PFAS」が検出。ことし6月には、地元の市民団体が要望書を提出するなど、住民からも、対策の強化が求められています。
大阪府摂津市では、環境省が全国の地下水などを対象に行った調査で、目標値の400倍以上、1リットルあたり2万1000ナノグラムという、国内で最も高い含有量を記録しました。 水道水は目標値を下回っているということで、摂津市は地下水を飲まないように呼びかけています。
一方で、住民からは、健康への影響を心配する声も。 【摂津市に住む人(80代)】「これはえらいこっちゃなあと思って。これは日本全国に広がる可能性ある」 こちらの男性は、ことし、血液検査でPFASの血中濃度を調べました。すると、アメリカでは健康に影響が出るおそれがある基準とされている、1ミリリットルあたり20ナノグラムを上回る数値が出たのです。 【摂津市に住む人(80代)】「32.2というのはかなり高い。(Q.普段の生活で地下水を使うことは?)絶対ない」 摂津市に住んでいることとの関連は不明で、今のところ、直接的な健康被害はありませんが、男性は、この問題が長期にわたるのではないかと不安を感じています。 【摂津市に住む人(80代)】「僕もだけど、これから若い人が大変だと思って。あっちこっちでバタバタ倒れるという人がいないから、なおさら潜在的っていうか怖いなと思います」
専門家は、仮に飲み水にPFASが含まれていたとしても、すぐに健康被害が出る可能性は低いとしながらも、対策の重要性について、こう指摘します。 【京都大学大学院医学研究科 原田浩二准教授】「長期的な汚染につながると、非常にたくさんの人が少しずつでも病気へのなりやすさが上がってしまう。非常に広範囲に広がっていくことが一番問題だと思います。全国的な調査をするというのは前進していると思います」 多くの人に不安を与えている「PFAS」問題。生活に欠かせない水道水を安心して使えるように、素早い対応が求められています。