3連覇へ久光製薬が白星スタート ── バレー・Vプレミアリーグ女子開幕
バレーボールのV・プレミアリーグ女子が15日、東京体育館で開幕した。昨季の女王・久光製薬(サブホームタウン:兵庫県神戸市)と今季、3シーズンぶりに日本代表キャプテンの木村沙織が復帰した東レ(本拠地:滋賀県大津市)の対決とあって会場には5200人の観客が詰めかけ、3連覇を目指す久光製薬は、フルセットの末に東レに勝利した。
久光勝利の瞬間、監督ら優勝したかのように涙
久光vs.東レは、そんなファンの期待通り、出だしから1点を奪い合う展開。第1セットは24-23から久光にミスが出て東レが逆転で先取。その後、第2セットを久光、第3セットを東レが取り、東レリードで迎えた第4セット、東レが先にマッチポイントを握る(24-22)。しかしそこから久光が意地を見せ、27-25で奪い返し、勝負はフルセットに。 第5セットも出だし4-1と走るなど東レが常にリードする形で進んだが、後がない11-13の劣勢の場面で久光のエース長岡(望悠)、新鍋(理沙)が強気で攻め、大逆転で勝利を奪い取った。女王が見せた強さだった。 激闘を制した久光。勝った瞬間、選手たちや中田久美監督もまるで優勝したかのように涙。 「開幕戦で東レということで難しい試合になると思っていたが、想像以上でした。ミスを1セット分25点も出してしまい、途中、石井(優希)が足をつってしまったりと、本来なら勝てる試合ではなかったと思うが、選手一人ひとりがプライドを持って頑張ってくれた。チームに勢いをつける意味ではいい1勝だったと思います」と中田監督。 けがで昨シーズン戦列を外れていたキャプテン、リベロの座安(琴希)の復帰戦を勝利で祝うことができた。「勝てたので前進できます。フルセットを取れたのは自信になります」と涙ながらに座安が話すと、「復帰はチームをまとめる意味でもよいこと。座安は久光にとって大きな戦力だから」と中田監督も。 今季は3連覇がかかる。ただ、久光の目指すところは国内の頂点ではない。アジア女王として、昨シーズン挑戦して「惨敗した」という世界クラブ選手権に再び挑み、世界の頂点に立つことだ。 「大事な一戦だったのでみんなの力で乗り越えて勝ててよかったです。3連覇がかかるシーズンですが、目の前の1戦1戦を自分たちのバレーで戦って、アジアクラブ、世界クラブ選手権につなげたい」と今季、コートキャプテンの新鍋。途中、アクシデントがあった石井も、「迷惑をかけてしまったので、試合を終えて、ほっとして涙が出てしまいました」と嬉しそうだった。
木村沙織「最後に笑って喜べるように頑張っていきたい」
一方、東レ木村沙織は復帰初戦を飾れず。それでも「久光は上手なチームだと思っていた。ジュースになったときや、最後の競った苦しいところを勝ちきれるというのは、やはり日本一を経験しているからだと思う。久しぶりのVリーグは楽しかった。東レアローズというチームが大好きなので、一緒に戦えて嬉しい。最後に笑って喜べるように頑張っていきたい」と前向きに話していた。