GPIFによるインパクト投資可能、手法の具体的な検討必要-厚労省
(ブルームバーグ): 厚生労働省は25日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による社会課題の解決と収益性の両立を図る「インパクト投資」の実行が可能との方向性を示した。
GPIFでは年金積立金の運用で、被保険者の利益以外を追求してはいけない「他事考慮の禁止」といった制約がある。そのため、社会・環境的効果である「インパクト」を目的にした投資はできないとされてきた。
一方、同日開催した社会保障審議会資金運用部会での配布資料によると、インパクトを考慮した投資について、中長期的な投資収益の向上につながるとの観点から、ESG(環境・社会・企業統治)の考慮と同様、「他事考慮」に当たらないと指摘。
その上で、インパクトの実現を直接の目的とした投資はできないとの前提も確認し、今後、対象資産や投資手法などについて具体的な検討を進めることが必要ではないかとした。政府は6月にインパクトを含む非財務的要素の考慮は他事考慮に当たらないとの認識を示しており、GPIFなどでこうした整理を踏まえた取り組みを検討するとしていた。
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Nao Sano