アックマン氏に批判集まる、多様性への攻撃を問題視-非公開討論会で
(ブルームバーグ): 米カリフォルニア州ビバリーヒルズで今週開催されたビジネス会議で、マネーマネジャーらが人工知能(AI)について話し合い、イーロン・マスク氏の一言一句に耳を傾ける一方で、ダイバーシティー(多様性)を巡る熱い議論が非公開の場で繰り広げられていた。
一室では招待客限定のパネル討論会が行われ、ウォール街の有色人種の上級幹部を含む約40人がテーブルの周りに集まり、ダイバーシティー・エクイティー(公平性)・インクルージョン(包括)=DEIの取り組みに対するヘッジファンド運用者ビル・アックマン氏の攻撃を問題視した。出席者5人が明らかにした。
約1時間にわたり、アックマン氏はDEIを公然と攻撃していることで批判を浴びた。参加者は、同氏が表明している見解が米国での女性や有色人種の進歩に悪影響を及ぼすと非難した。DEIを「本質的に人種差別的で違法な運動」と主張しているアックマン氏は、パネリストと聴衆の両方から反発を受けたと、セッションの非公開を理由に出席者が匿名を条件に明らかにした。この討論会は、ミルケン・インスティチュート・グローバル・コンファレンスでのDEIに関する6日のイベントの一部。
アックマン氏のほか、パネリストとして、テキサス州教職員退職年金基金のジャービス・ホリングスワース理事長、グッゲンハイム・インベストメンツのディナ・ディロレンツォ社長、金融リテラシーの向上を目指す非営利団体オペレーション・ホープの代表ジョン・ホープ・ブライアント氏らが参加した。
関係者によれば、大部分の発言者は、アックマン氏にDEIへの攻撃を見直すよう求め、同氏のメッセージが全米の多様性プログラムを弱体化させる恐れがあると主張した。
アックマン氏は9日、今回のパネル討論について「この重要なトピックに関する私の微妙なニュアンスのある見解については多くの言葉をつづってきた。私の見解を十分に理解するために、それらを読んでいただきたい」とコメントし、1月にX(旧ツイッター)に投稿した長文記事に言及。同氏はその中で「DEIは純粋な形での多様性ではなく、むしろ特定のグループのための政治的主張運動だ」と結論づけていた。