韓国ブリキ市場で輸入材増、国内向け出荷減少。需要低迷・地場メーカーの採算悪化
韓国のブリキ市場で輸入材の流通量が大きく増加している。各容器の荷動きが低調な中、需要家の間で安価な輸入材を採用する動きが拡大。国内材との格差が広がる中、地場メーカーでは出荷が減少し、厳しい販売価格での対応を余儀なくされている。 市場では一昨年夏を境に輸入材の平均価格が低下。段階を踏んで緩やかな続落傾向で推移する一方、対照的に入着量は昨年に入って各月で前年同月を上回る。市場関係者によると大半は中国材とみられ、代替が可能な用途や需要分野を中心に置き換わりが進んでいるとみられる。 地場メーカーによる国内の出荷量はコロナの反動増でいったん持ち直したものの、工業、一般向けとも総じて需要が盛り上がりを欠き、直近2年はいずれも前年を下回った。国内の流通量における輸入材の比率が相対的に高まるとともに、生産の過半を占める輸出向けも振るわず採算は悪化。2023年12月期の決算では大幅な減益を計上するメーカーが相次いだ。 現地では近くブリキ原板の価格が引き上がるとの観測が聞かれる。実現すれば一段と収益の確保が難しい局面への移行も見込まれ、新たな販価の設定も視野に入る。日本に入着する韓国材は数量、価格とも一進一退を繰り返しており、今後韓国市場の動向がどのように波及してくるのかが注視される。