「2024年問題」解決も? 各業界に広がる自動運転“レベル4”【WBSクロス】
大型トラック“自動運転”の実力
一方、人手不足で悩む物流業界では、大型トラックの自動運転はどこまで進んでいるのでしょう。 茨城県のテストコースでは、ドライバー不足に悩む物流業界で自動運転を活用するためのトラックでの実験が行われていました。運転席にドライバーが乗った状態での自動走行「レベル2」のテストです。この実証実験を手がけているのが三井物産などが出資するベンチャー企業「T2」。トラックにつけられた20個ほどのセンサーが周辺の車両の状況をリアルタイムで検知します。 「10トントラックは重量のある乗り物なので、停車するまでに必要となる距離が長くなる。それに応じたシステム開発が一番難しい」(「T2」技術開発本部の辻勇気本部長) T2では2027年にドライバーのいらないレベル4でのトラックの自動運転の実施を計画していて、既に100回以上のテストを重ねデータを集めています。その結果、今年6月には新東名高速道路で自動運転レベル2の実証実験に成功。走行中、しっかり前方の車と距離を保ち、駿河湾沼津サービスエリアと浜松サービスエリアの間の116キロを走り切りました。 T2は、10月には佐川急便やセイノーホールディングスとともに東京-大阪間での実証実験を開始する予定です。これは日本初のレベル4での輸送を目指した幹線道路における貨物を積んだ状態での公道実証になるといいます。 さらに、来年の夏をめどに自ら運送業にも参入する計画です。 「ゴールとしては運送事業を立ち上げ、運べない分を運べる世界をつくっていく。現時点で必要とされているものがある。その中に飛び込んでいけば、おのずとビジネスになっていく」(T2の森本成城CEO) ※ワールドビジネスサテライト