1200年の歴史を持つ「日本一危険な火祭り」!?燃え盛る松明に果敢に飛び込む男性たちの雄姿に密着!
燃え盛るすずみにしがみ付く!揺する!ネコと呼ばれる人々
点火2時間前になると、すずみの前には既に溢れんばかりのお客さんが集まっていました。神社の駐車場には、大阪や所沢など遠方からの車が多数。全国各地からカメラ好きが集います。さらに、地元の消防団も集まり、点火前に入念な準備が行われます。 (東・神男・野口翔太さん) 「(Q今の心境は?)1年間こうやってここのためにやってきた部分はあるので、すべてぶつけられるといいかなと思います」 午後8時、街灯が消され、いよいよ点火です。西と東、2つのすずみへ同時に火がつきました。このすずみの中から、「神木」と「十二縄」を取り出す早さを競います。瞬く間に燃え上がった2つの巨大なすずみ。燃え盛る炎の中に、男たちが立ち向かいます。すずみにしがみ付き、揺するような動作をする男性たち。 (祭り歴20年の男性) 「(すずみを)ゆすってね、空気を入れてよく燃えるように。速く燃えないと神木、十二縄が出せない」 すずみを早く燃やすことで、中から神木と十二縄を取り出すのです。参加者は、このすずみをゆする姿や、耳が付いたように見える頭巾の形から通称「ネコ」と呼ばれます。ここで、東のすずみの炎が一段と激しさを増しました。ネコは、熱さを凌ぐために水をしっかりとかぶって、火の中に飛び込んでいくそうです。 点火から8分、太鼓の音が響き渡ると、神男の見せ場がやってきます。松の木でできた「ゆすり棒(一の棒)」をすずみに刺し、右へ、左へゆすって空気を送り込みます。 ゆすり棒は、一の棒、二の棒、三の棒の合計3回あり、その時々の火の燃え具合で1年の天候を占うというのが1200年続くしきたりです。 ここで、二の棒が入った直後、西のすずみに動きが。すずみを固定していた「藤づる」が切れたのです。一斉に外側の竹を引っ張って壊しにかかります。さらに、三の棒も突入し一気に畳みかけます。
西が先に「神木」を奉納し優勢に!東も必死に食らいつく
激しい煙が立ち込める中、とうとう西のすずみから「神木」が出てきました。神男の重富さんを先頭に神木を奉納し、西が一気に優勢に。しかし、過去には大逆転が起きたこともあるといいます。 西の参加者は急いですずみに戻り、今度は「十二縄」を取り出しにかかりました。対する東も、まもなく神木が出そうな状態。手に汗握る競争が続きます。その後、勢いそのままに西が十二縄も奉納。これで勝利が決まりました。 さらに4分後、東も神木に続いて十二縄を奉納し、点火から約20分で今年の鳥羽の火祭りは幕を下ろしました。 (東・神男・野口翔太さん) 「あっという間の勝負だったなと思ってます。経験をいろいろ見たものを、次につなげていけるといいなと思います」 (西・神男・重富涼太さん) 「こうやって皆さんにやっていただいている姿を見て、本当涙が出そうでした。本当にいいお祭りだなと改めて実感しました」 今回、寺坂くんが最もアツい「OMATSURIちゃん」として選んだのは、神男を務めた野口さんと重富さんです。"日本一危険な火祭り"は、"日本一熱い祭り"なのかもしれません。 CBCテレビ「チャント!」2月21日放送より
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