フランスF4で初優勝 高2レーサーの加藤君 三重・多気出身 総合成績トップに
ホンダで今季参戦 5レース中4レースで表彰台
三重県多気郡多気町片野出身の高校2年・加藤大翔君(16)がこのほど、南フランスのレドノン・サーキットで開催されたフォーミュラカーレースの「フランスF4選手権」の第2戦(全3レース)に出場し、3レース目で初優勝を勝ち取った。先月の第1戦での成績と合わせ、5レース中4レースで表彰台を獲得し、総合ランキング暫定1位となっている。
フランスF4選手権は、若手ドライバーの育成アカデミーとして、10代後半から20代前半のドライバーが世界中から参加するカーレースの一つ。F4からF3、スーパーフォーミュラやF2と続き、F1を頂点とする。 加藤君は幼少期からレーサーに憧れ、小学校低学年からカート大会に参戦。数々のレースで成績を残し、通信制高校に在籍しながら、ホンダ・レーシング・スクール鈴鹿(鈴鹿市)のフォーミュラクラスに入校し、昨年首席で卒業。公式レース参戦のスカラシップ(奨学制度)を獲得して、今年3月から拠点をフランス西部のル・マンに移して、ホンダの選手としてフランスF4(全7大会)に出場している。 今回のレドノン・サーキットは全長約3.1キロメートルで、数多くの高低差があり、フランスで最も起伏がある。ヘアピンカーブやシケイン(減速させるためのクランクやS字カーブ)を含む14のターンで構成され、反時計回りに走るフランスで唯一のコース。 レースには25台がエントリーし、20分プラス1周で競った。 レース1で加藤君は1番手と並んでスタートを切ると2番手をキープ。その後並走することはあったが抜くまでには至らず、そのまま2位でチェッカーフラッグを受けた。レース2はリバースグリッド(予選下位の車からスタート位置に並ぶ方式)で9番手からスタート。追い上げるのが難しいコースでタイヤの消耗を抑えながら4人を抜き5位でフィニッシュ。レース3ではポールポジションから好スタートを切った。前半、2番手の追い上げを絶妙な距離感を保ってかわしレースをコントロールすると、後半、猛スピードで引き離し、2番手に1秒強の差を付け初優勝を決めた。 第1戦は全3レース中、1レースで2位、2レースは雨天中止、3レースで3位。今回も2度の表彰台で、総合ランキングで暫定1位に躍り出た。 初優勝について「率直にうれしい。リラックスしてレースに臨め、レース3は不安要素もなく自信があった。この走りをこれからも続けられたら今後もいい結果が出ると思う」と話し、1位については、「もちろんチャンピオンは目標だが、全7大会あるうちの序盤なので、まだ気にしてない。結果にこだわることも大事だが今は挑戦していきたい」と意気込みを見せた。