国内最古の「牛川人骨」、調べたら「クマの骨」…愛知・豊橋市教委が説明文やパンフレット修正へ
国内最古の人骨は否定されてしまい、化石骨への関心は低くなってしまいそうだ。しかし、諏訪特任教授は「牛川化石の研究が、日本列島における人の成り立ちの理解に大きく貢献したことは、今後も変わりない」と強調する。牛川人骨の発見は、縄文時代よりも前のヒトの探求における重要な起点の一つであり、その他の化石人骨についても研究が進展していくきっかけになったという。
市もレプリカの展示などは継続していく方針だ。市文化財センターの村上昇主任学芸員は「日本最古の人骨ではなくなったが、『牛川人骨』が豊橋の大切な宝であることに変わりはない」と話している。
◆牛川人骨=1957年、豊橋市牛川町の石灰岩採掘場で左上腕骨とみられる破片がニホンザルやタヌキなどの動物の骨と共に出土し、東京大の鈴木尚教授の鑑定で、約10万年前の旧石器時代を生きた小柄な女性と推定された。2年後に見つかった破片は左大腿(だいたい)骨とされ、男性と判断されると、国内最古の人骨として高校の歴史教科書にも掲載された。