出荷前のカキ付きロープ、相生湾沖合の養殖いかだから150本以上盗まれる 水揚げ量減に追い打ち、憤る業者「許せない」
兵庫県相生市の相生湾沖合に浮かぶ養殖いかだから、出荷前の冬の味覚・カキが付いたロープが大量に盗まれたとみられることが12日、分かった。一帯で少なくともロープ150本以上がなくなっているといい、相生漁業協同組合が姫路海上保安部に被害を届け出た。 【写真】カキのBBQ店、ウインドサーフィン元プロが自宅敷地にオープン 同漁協によると、一つのいかだからは海中に約千本のロープが垂れ下がり、ロープ1本当たり約25個のカキが付いているという。水揚げ作業はクレーンなど専用機材を積んだ船で行う。 被害に遭ったのは、同市坪根地区と鰯浜地区の5~6業者。いずれも6~7日ごろの水揚げ作業中にロープの数が少ないことに気付いたという。 揖保川や千種川から豊富な栄養分が注ぐ播磨灘では、短期間で養殖カキの身が大粒に育つが、それでも半年~1年を要する。ある業者は「一生懸命育てたのに許せない」と憤る。 11月ごろから水揚げが本格化しているが、同漁協によると、今シーズンの前半は海水温の上昇で赤潮が発生。水揚げ量が例年より1~2割減ったといい、漁協担当者は「(盗難被害で)追い打ちをかけられた気分だ」と嘆いている。(豊田 修)