JRA定例会見 馬産業の人材確保の強化や落馬事故対策などを説明
JRAは24日、大阪市内で定例会見を開き、馬産業の人材確保に対する取り組みについて発表した。また、通信機器の不適切使用、落馬事故や暑熱への対策などについても説明した。 【人材確保】馬産業全体の人材確保に向け、5月末に馬に関わる職業を紹介するサイト(UMAJOBサイト)を立ち上げた。動画コンテンツなどで現在は7職種を紹介しており、秋にはブラッシュアップして本格的なサイトをオープンする。秋には馬に関わる職業を紹介する、大規模な就職イベントの開催も予定している。 【通信機器の不適切使用】調整ルーム内に禁止されている通信機器(スマートフォン)を持ち込み、5月31日から騎乗停止となっている水沼元輝騎手(21)=美・加藤和=ついて、審判担当の菊田淳理事が改めて謝罪した。近々、裁定委員会を開き、7月中旬に処分が発表される予定で「まだ決まっていませんが、そんなに軽い制裁にはならないと思います」と見通しを語った。 【落馬事故対策】4月に藤岡康太騎手が落馬事故で死去したことに触れ、騎手の安全面強化への対策について語った。現在、JRAでは5人の脳神経外科医を嘱託で採用しており、騎手用ヘルメットの改良に対する指導や、騎手用プロテクターへの助言などを行っている。その一環として、エアバック式の保護ベストの導入を検討している。試験導入にも至っていない段階だが、救護態勢の強化に努めている。 【暑熱対策】今年は2回新潟競馬(7月27、28日、8月3、4日)で新たな暑熱対策を行う。最終競走を繰り下げ、気温が高い時間帯での競馬を休止する「競走時間帯の拡大」を実施。装鞍所の集合時刻を従来の50分前から40分前とし、下見所の周回時間は通常の10分を5分程度に短縮して、人馬が屋外にいる時間を短縮する。さらに近年多発している急な雷発生の対策として、雷の専門家の助言を受けて、人馬の安全な誘導への取り組みも行う。