農家対象に「リカレント教育」推進へ 近畿農政局と神戸大学大学院が連携協定
農林水産省近畿農政局と神戸大大学院農学研究科は10月31日、人材育成や研究開発に関する包括的連携協定を締結した。両者が協力して、農家を対象に、必要な技能や知識を学び直す「リカレント教育」などを進める。 近年は農業の担い手不足が深刻化するだけではなく、酷暑や大雨により農作物に大きな影響が出て、安定供給が難しくなっている。同大学院では暑さに強い作物の研究や、先進技術を使ったスマート農業の普及に取り組んでおり、協定では農業に関する幅広い分野で連携するとした。 具体的には、スマート農業の事例を農家に紹介する講座を開き、リカレント教育を推進する。大学院で開発している農業機器の実用性について、農家の意見を取り入れる企画も行う。 締結式が京都市上京区の同局で開かれ、相本浩志局長は「食料を持続的に供給するには幅広い関係者と取り組むのが大切だ」と語った。同研究科長の白井康仁教授は「協定を通じて、我々の基礎研究が効率的に社会に貢献できると確信している」と述べた。