米利下げ回数は「2回」に修正されると予想 ~来週の「6月FOMC」の注目点【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
パウエル議長は従来の姿勢を維持、FOMCはバランスのとれた内容となり、市場の動揺はなかろう
ドットチャートでは「Longer run」という、景気を熱しも冷やしもしない「中立金利」を意味する長期のFF金利見通しも示されており、前回3月の中央値は2.5625%でした。今回は、前回2.5%を予想したメンバーが1人、2.625%に予想を引き上げるだけで(他は変更なしと仮定)、中央値は2.625%に上昇します。ただ、これは単に計算上のもので、2.5%水準に多く並ぶドットが一斉に上方シフトしない限り、特にメッセージ性はないと考えます。 最後に、パウエル議長の記者会見について、政策判断はデータ次第という基本姿勢は維持されるとみていますが、前回は「インフレ率が持続的に2%へ低下する道筋を確信するには、まだ時間がかかりそう」と述べていたため、確信の進展の有無が注目されます。今回のFOMCは、インフレを慎重に見極めながら年内の利下げ開始を探るという、総じてバランスのとれた内容になると思われ、市場に動揺を与える恐れは小さいとみています。 (2024年6月7日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米利下げ回数は「2回」に修正されると予想 ~来週の「6月FOMC」の注目点【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
【関連記事】
- 米利下げ回数は「2回」に修正されると予想 ~来週の「6月FOMC」の注目点【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 米経済指標の“下振れ”で長期金利は「低下」、為替は「ドル安・円高」へ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 来週はボラティリティ上昇の可能性 日経平均株価の「注意すべき値動き」【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 「大谷翔平選手がホームランを打つと、日経平均株価が上昇する」というスゴい現象【エコノミスト・宅森昭吉氏】
- 30~50代の5人に1人が「新NISAを始めました!」でも…「新NISAはやめておけ」といわれる7つの理由