【塩の香り?】吉岡徳仁が語る、新フレグランス「ル セルドゥ イッセイ」のボトルデザインとは?
男性が手に持ったときに、エネルギーを感じる造形にしたかった(吉岡徳仁)
――吉岡さんは、三宅一生さんが遺したフレグランスのボトルデザインを担当しましたが、三宅さんへの思いを教えてください。 吉岡徳仁 最初にこのフレグランスのお話をいただき、「会って打ち合わせをしたい」と一生さんから連絡をいただきましたが、それが叶わずお亡くなりになりました。実際に一生さんの思いは聞けませんでしたが、一生さんが自分に頼むということは、「今までにない新しいものを提案してほしい」ということだと思うので、自分でいろいろ解釈しながら、一生さんを納得させるようなアイディアを積み重ねていきました。 ――男性は“機能とデザイン”が好きですが、ボトルデザインで考えたことは? 吉岡 フレグランスのボトルにはデコラティブなものも多いですが、今回は、30年愛されている「ロードゥ イッセイ プールオム」が生まれたときのようなピュアな造形に立ち戻って、インダストリアルなイメージから新しい造形を模索しながらデザインしました。 ――実際にボトルを手に取って香りを身につけるという動作もデザインに込められていると。 吉岡 そうですね。エレガントな香水と対照的に、ボトルを手に取るとぐっと力強くエネルギーを感じる造形になっていて、ボトルを持ったときの重量感が贅沢な上質感を伝えます。 ――「ル セルドゥ イッセイ」では、インスタレーションも手がけています。 吉岡 今、物質の時代から感覚の時代へ移ろうとしているなかで、この“塩”の香りが人間の感覚にどう訴えかけるのかを、“香りを纏うインスタレーション”で表現しています。
「ル セルドゥ イッセイ」の香りがするミストがゲストを出迎えるインスタレーションを体感しよう!
「ル セルドゥ イッセイ」の発売を記念して、東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデンにある「21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3」で、「ル セルドゥ イッセイ」のボトルをデザインしたデザイナー/アーティストの吉岡徳仁氏による香りのインスタレーション「ISSEY MIYAKE LESEL D’ISSEY:Imagination of Salt」展を開催中。 21_21 DESIGN SIGHT初となる香りのインスタレーションは、目に見えない香りを、ミストで視覚的に表現。彫刻的なフォルムのボトルデザインのプロセスの紹介や、調香師カンタン・ビシュのインタビューを含む本展のみのスペシャル映像も見逃せません。 新たな香りから広がる躍動的な世界観が体感できます。
梶井 誠