手作り絵本3年連続入選 コロナ禍機に制作始めた90歳 農作業や風景描いた「絵日記」/兵庫・丹波市
兵庫県丹波市春日町の義積喜美子さん(90)の手作り絵本「ときどき絵日記Ⅸ」が、富山県の「おおしま国際手づくり絵本コンクール」(射水市絵本文化振興財団主催)のおとなの部で入選した。3年連続の栄誉で、「予想もしていなかったので、飛び上がるほどうれしい」と喜んでいる。通っている介護事業所「小規模多機能てくてく大路の杜」(同町)で、職員や一緒に通う利用者らからも祝福を受けた。 「ときどき絵日記」は、蛇腹状の折り本で、コロナ禍で出かけられなくなったのを機に2020年から描き始めた。22年はシリーズ3冊目、昨年は6冊目、今年は9冊目が入賞した。指導を受ける絵本作家の村上祐喜子さんから「丹波のおばあちゃんの日常を一人でも多くの人に見てもらったらどう」と背中を押され、同シリーズを出品し続けている。 今年の入賞作品は、昨年後半の日常をつづったもの。家族で仕事をした芋堀りや籾すり、白菜漬けなどの“農事記録”をはじめ、ハギやサザンカの開花などの自然の風景、曽孫の様子など、身の回りの出来事を、ペンや絵の具で手描きした絵と、文で表現している。ひいきの阪神が日本一になった日のページは、「胴上げでたくさんの選手を描いたので、一日かかった」と言う。 義積さんは「絵本コンクールの作品展で、多くの人に手に取ってもらったようでうれしい」と笑顔。「こんなに幸せな人生はない」と喜んでいる。