束芋の新作映像インスタレーションが寺田倉庫に登場。海外のアニメーション作家3人と共同制作の新境地。
7月15日まで開催中の『TENNOZ ART WEEK 2024』に、現代美術家・束芋の新作映像インスタレーションがメインプログラムとして登場しました。 【フォトギャラリーを見る】 2023年に行われた『第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭』で短編部門の審査員を務めた束芋は、そこで出会ったアニメーション作品に感銘を受ける。あらためてアニメーションという表現方法の深遠さに触れた彼女は、一人でも多くの人に彼らの素晴らしい作品を観てもらいたいという思いを抱き、映画祭で出会った3人のアニメーション作家と一緒に制作することを思いつく。 束芋が最初に掲げたテーマは、会場となる「倉庫」という場所に通常なら決して持ち込んではいけない「水」や「生き物」を表現する、ということ。観客は殺風景な倉庫ビルに生々しく展開する「生」の世界を全方位で鑑賞することになる。 作家のジョシュ・シェフナー(アメリカ)、ステファン・ヴィユマン(フランス)、レア・ヴィダコヴィッチ(セルビア)。3人とも表現方法は異なるが、世界の捉え方は束芋と共通する部分も多く、束芋から「こうして欲しい」というリクエストはあえて出さず、個々の表現したいものをそのまま出してもらったという。これまでにも様々なアーティストとコラボレーションしてきた束芋。アニメーションをアートインスタレーションの中に引き込むことで、お互いにとって新たな世界を作り出した。
新作映像インスタレーションを鑑賞し終わった後には、実際に束芋が映画祭で感銘を受けた彼らのアニメーション作品を、束芋の過去の作品とともに観ることができる。各回約90分のプログラム、ぜひこの機会に体感してみてほしい。
「触れてなどいない」
〈寺田倉庫G3-6F〉東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号。~2024年7月15日。開演時間:全日 11時~ / 13時~ / 15時~ / 17時~ / 19時~(各回:約90分)。事前予約制。一般 2,000円ほか(本チケットには、「WHAT MUSEUM」の入場料が含まれる)。チケット予約は から。
text_Keiko Kusano