内灘に初の物流拠点 大和ハウス工業、26年5月完成 産業振興、雇用創出に期待
●金沢港、能登に接続 大和ハウス工業北陸支社(金沢市)が内灘町千鳥台5丁目で物流拠点を整備することが19日、分かった。2026年5月の完成を予定する。金沢港やのと里山海道にアクセスが良い立地を生かす。町内初の物流拠点で、町は地場産業の振興や雇用創出に期待する。石川、富山県の物流業界では時間外労働の上限規制を強化する「2024年問題」に対応するため、倉庫の新設や再編が相次いでおり、今後も用地の取得が続きそうだ。 整備予定地は約2万7千平方メートル。関西電力グループの関電不動産開発(大阪市)が今後取得し、大和ハウス工業北陸支社が施工する。来年5月に着工し、鉄骨造2階建ての倉庫を整備。物流業者に貸し出す。 大和ハウス工業によると、日本海側の物流拠点である金沢港に近いことに加え、地震からの復興で物流需要の増加が見込まれる能登にも行きやすい立地だという。 物流拠点は、東京五輪スケートボード女子銅メダリスト中山楓奈選手(富山市出身)が練習に励んだ「アカケンパーク」に隣接する。アカケンパークは物流拠点の整備に伴い、隣接する商業施設「コンフォモール内灘」内に来年移転する。 内灘町都市整備部の担当者は「物流拠点の整備による新規雇用などを通じて、地域の活性化につながってほしい」と話した。 物流業界では「2024年問題」を受け、トラック運転手の走行距離を減らすため、交通アクセスの良い高速道路のインターチェンジ(IC)付近などに倉庫を整備する動きが広がっている。 ビーイングホールディングス(金沢市)は、富山市の北陸自動車道富山西IC付近に自社センターを整備中。若松梱包運輸倉庫(白山市)も白山IC付近に倉庫を建設しており、25年の完成を目指す。 食品物流事業のナオヨシ(東京)は富山西IC近くの呉羽南部企業団地に物流倉庫「富山西センター」を建設しており、12月の竣工、来年1月の稼働を予定する。敷地面積は約1万1千平方メートルで、アイスクリームや冷凍食品などを取り扱い、「北陸最大級の冷凍冷蔵倉庫」(広報担当者)という。