<劇場版モノノ怪 唐傘>花澤香菜×中村健治監督対談 初めて語る役作り、アフレコの裏側 “大奥”に込めた思いとは?
--花澤さんを北川役に抜てきした理由を教えてください。
中村監督 オーディションでの長ぜりふを聞いた瞬間に、北川役は花澤さんでしかありえないと思って即決しました。一番の決め手は一つのせりふにさまざまな感情を込めることができるところ。この物語にはさまざまなキャラクターが出てきますが、北川はある意味で作品を形作る入れ物のような大きな存在です。物語の根底に北川がいて、ブルブルと作品を揺すっている。花澤さんはそんな北川というキャラクターの心の揺れ動きを声と連動させて、しかもすごく複雑に表現してくれた。僕自身、想像していた以上の北川の感情を教えてもらうことがありました。
花澤さん そのように言っていただけて光栄です! 私が演じる上で意識したのは、北川さんの孤独です。北川さんは頑張り屋さんで自分を犠牲にしながら、なりふり構わずにキャリアアップを目指してきました。しかしある時に、その糸がプツリと切れてしまって気力を失ってしまった。大奥には大勢の女中がいるのにも関わらず誰にも相談できず、どんどん孤独を深めてしまった。私自身、このままいくと心が乾いてしまうかもしれないという感覚になったことがあるので、北川さんの悲しい孤独に対して心を寄せることは難しいことではありませんでした。
◇花澤香菜が黒沢ともよを分析
--大奥でキャリアアップを図る新人女中・アサ役の黒沢ともよさんとは一緒にアフレコをされたそうですね。花澤さんが差し入れた芋けんぴに黒沢さんが喜んでいる姿がほほ笑ましかったです。
花澤さん ともよちゃんとは彼女が10代の頃からの知り合いで、一緒に焼き芋フェスに行ったこともあるくらい仲が良いです。現場で会うのは久しぶりだったので、お芋好きのともよちゃんのために私イチオシの芋けんぴを買って、アフレコ前に一緒に食べました。ともよちゃんが芋けんぴをポリポリと食べている姿を眺めていたらすごく幸せな気分になりました。