カナダ中銀、7月までの利下げ持ち越し検討も実施断行-6月議事要旨
(ブルームバーグ): カナダ銀行(中央銀行)が6月5日に開いた政策決定会合では、インフレ率が中銀目標の2%に到達する軌道になおあることを確認するため、利下げを7月に持ち越すかどうかが議論されたことが、19日公表された議事要旨で明らかになった。
6人で構成する政策理事会は、金融緩和開始のタイミングにあるとの「確信を強める」ため、さらなる消費者物価データを待つことを検討したが、最終的に政策金利を4.75%に引き下げることを決定した。
カナダ中銀、政策金利を4.75%に下げ-追加利下げも示唆 (1)
議事要旨によれば、基調的な物価上昇圧力が4カ月連続で鈍化したことは、「政策金利の最初の引き下げを正当化する上で十分な進展」だった。また、インフレ緩和が継続すれば、追加利下げを見込むことは「合理的」との見解で一致した。この文言はマックレム中銀総裁が6月会合の記者会見で冒頭に語った発言にも含まれている。
ただインフレを巡る進展が米国のように停滞することを懸念し、金融緩和は「緩やかになる見込み」とし、今後のデータに左右されることで一致した。さらに、市場などとの対話で「今後の金融政策決定は会合ごとに行う」ことを強調する点でも合意した。
政策理事会はまた、カナダの金利の道筋が米国と乖離(かいり)する可能性についても議論し、両国間で政策見通しが異なるとの予想が為替レートに影響する可能性に留意した。乖離には「限界がありそうだ」が、「その限界は到達に近くなかった」との認識でも一致した。
こうした協議は政策金利を景気抑制的な水準から引き下げ始めるのに十分な証拠があると当局者がみていることを裏付けるものだ。ただ、米国との乖離と7月まで利下げを待つ可能性が議論されたことは、政策決定がデータ次第であり、追加利下げにはディスインフレの勢い加速が要件になることを浮き彫りにした。
原題:Bank of Canada Considered Waiting Until July to Cut Rates(抜粋)
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Erik Hertzberg, Randy Thanthong-Knight