DeNA・桑原将志がMVP 連敗スタートのチームに活、流れ変えたハマのガッツマン
(SMBC日本シリーズ2024、DeNA11-2ソフトバンク、第6戦、DeNA4勝2敗、3日、横浜)DeNA・桑原将志外野手(31)が日本シリーズ新記録となる5試合連続打点をマークするなど計9打点を挙げ、最高殊勲選手(MVP)に選ばれた。第6戦は二回に筒香の本塁打で先制し、さらに2死二、三塁となった場面で桑原が2点タイムリー。6戦全てで安打(12安打)を放った。7年前の日本シリーズも1番打者だったが、打率・154。悔しさを同じ舞台で晴らした。 歓喜の瞬間、桑原は中堅からゆっくりと走り出した。左翼手・筒香と熱い抱擁を交わし、ナインが集まる輪に満面の笑みで加わった。 「本当に幸せに思う。夢のよう。ずっとたどり着きたかったところ。正直ずっと気が張り詰めていたんで、本当にきれいな夜空が見られてよかった」 日本シリーズMVPに輝く活躍に、喜びもひとしおだ。全6試合に1番打者として出場し、打率・444(27打数12安打)、1本塁打、9打点。第3戦では決勝ソロや中堅守備でのダイビングキャッチで仲間を鼓舞した。この日も1―0の二回に2点打を放ち、日本シリーズ新記録となる5試合連続打点をマーク。ガッツあふれるプレーで、26年ぶりとなる頂点の立役者となった。 もう、7年前の自分ではない。前回進出した2017年の日本シリーズは、1番打者で全6試合に先発しながら打率・154(26打数4安打)。ソフトバンクの日本一をベンチで見届けた。ただ当時の苦い記憶を振り返ることはせず、「7年前の借りを返そうとは思っていなくて。ここにいる最高のメンバーで、喜びを感じながらいた」と無心で白球を追った。 言葉でもナインを鼓舞した。本拠地で2連敗した第2戦後、選手主導の緊急ミーティングが行われ、7年前の悔しさを知る一人として「このままだったら4連敗で終わるぞ。もっと気持ちを一つにして戦おう」と活を入れた。そこからチームは4連勝。熱き男は「チームを絶対に引っ張て行くという強い気持ちでいた」とプレー内外で勝利への思いをみせ、7年前を知らない中堅、若手にも浸透していった。 表彰式のお立ち台では「ちょっと話は早いかもしれないけど、日本シリーズでの経験を忘れず、来年も強い気持ちをもって戦いたい」と誓った。黄金時代の幕開けへ-。その中心に背番号1がいる。(森祥太郎)