【ジャパンC 俺のチェックポイント】シンエンペラーは海外遠征を経験し「精神的に落ち着き出た」
今週は東京競馬場でジャパンCが行われる。「俺のチェックポイント」初日は、大阪サンスポの北池良輔記者が良血馬シンエンペラーに注目した。前走で全兄ソットサスが制した凱旋門賞に挑戦するも12着に敗れた。帰国初戦となる今回、状態面や遠征を経験したことでの変化を探った。 ◇ マイルCSは願いが通じたのか良馬場で行われた。チャンス到来かと思ったが◎ジュンブロッサムは10着…。予想がなかなか波に乗れないが、下ばかり向いてはいられない。気持ちを切り替えて月曜からしっかり取材して立て直したい。 立て直すといえば、シンエンペラーも同じだ。凱旋門賞12着からこれが帰国初戦。一番気になる状態面に探りを入れるべく、矢作厩舎に向かった。 「普通に考えて疲れがあってもおかしくないですが、今はそんなに疲れは感じていません」 担当の吉田助手が現況を説明してくれた。 13日の栗東CWコースでは、3頭併せで6ハロン81秒2-11秒0と最先着と上々の動きを披露。「馬っぷりはいいし、前より敏感な部分もマシになってきました。競馬に行くとスイッチが入ってくると思います」と目を細める。 2歳時にホープフルSで2着し、皐月賞では5着。日本ダービー3着後に凱旋門賞挑戦を表明すると、前哨戦の愛チャンピオンSは0秒1差の3着と地力を示した。凱旋門賞馬ソットサスの全弟として期待を寄せられた本番だが、幾多の日本調教馬の挑戦を退けてきた壁は高かった。「リズムよく走れなかったですね。息が入らずに直線勝負になってしまったのが1つの敗因だったのかな」と振り返った。 それでも、欧州遠征を経験したことは無駄ではなかった。精神面の成長が見られ、「少し精神的に落ち着きも出てきましたし、マイナスにはなっていないと思います」と収穫を口にする。 3歳牡馬が勝利すれば、2010年のローズキングダム以来。「東京芝2400メートルは日本の競馬場の中で一番合う」と力を込めた吉田助手。復帰戦としてはまたとない舞台だけに、侮れない1頭として週末まで頭を悩ませたい。(北池良輔)