海外投資家2年連続で株買い越し、個人は2年連続売り越し「株価上昇で利益確定する売り出やすく」
東京証券取引所が10日発表した2024年の投資部門別株式売買状況によると、売買金額の約6割を占める海外投資家では「買い」が「売り」を上回った。買い越しは2年連続となる。ただ、買い越し額は23年の3兆1215億円から大幅に減り、24年は1543億円にとどまった。 【チャート】直近1か月の日経平均の値動き
東証と名古屋証券取引所の売買額を集計した。24年の日経平均株価(225種)は3万3288円29銭(1月4日終値)でスタートし、2月22日に史上最高値を34年2か月ぶりに更新。7月11日には、4万2224円02銭(終値)と最高値をさらに伸ばした。
堅調な企業業績を背景に自社株買いや株主還元を充実させる企業が増えたことで、年前半は海外投資家による日本株買いが進んだ。
一方、日経平均は8月に史上最大の下落幅を記録した。米景気の後退懸念を発端に日本株への投資を控える動きが広がり、7~12月の売り越し額は4兆円を超えた。
売買金額の約2割を占める個人は2年連続の売り越しとなり、売り越し額は2兆138億円だった。大和証券の阿部健児チーフストラテジストは、「株価が大きく上昇し、個人投資家では利益を確定する売りが出やすかった」としている。