任意保険の金額を決める「料率」はクルマによってまったく違う! 激速なスポーツカーは高い……と思って「対人・対物」を調べたら意外な結果だった!!
車種ごとの基準は「型式別料率クラス」によって定められている
保険の基本的な仕組みは、過去のデータから加入者全体での保険料の支払総額を試算して、それに保険会社の取り分を加えた額を加入者の人数で分散するというものです。 しかし、そのままでは事故を起こす傾向の高い人や車種と、そうでない場合との間に不公平が生まれるため、その傾向のデータを分析して年齢や車種ごとに区分したうえで、それぞれの項目を組み合わせて保険料を算出しているのです。 年齢については長年のデータ分析結果から上記の4つにわけ、年齢が高くなるほど事故率が低いという判断がされています。 そして本題の、車種の違いで保険料に差が出るという話です。 たとえば日産GT-Rの場合を考えてみましょう。GT-Rは300km/h巡航が可能なエンジンとシャシーをもっていますので、所有者もそれを期待して購入しているでしょう。ファミリーカーと比べて飛ばす人も多いと思います。そうなると事故率も高くなるでしょう。スピードを出すので事故の損害も大きいと思います。そういう傾向のある車種は、保険料の支払額が大きくなるので料率が高く設定されます。 一方で、コンパクトなファミリーカーはどうでしょう? 運転者として想定されるのは、週末レジャーでのパパさんや普段の買い物をするママさん、あるいは初心者の若者などでしょうか。そういった人たちの多くはめったに飛ばさないでしょうから、ハデな事故とは縁遠いと思われます。 しかし、その一方で、ちょっとぶつけてしまったりという小さめの事故は多いかもしれません。事故の件数も少ないとはいえないので保険料の支払総額は高いかもしれません。ただ、加入者の分母が大きいので、それを車種のなかで分散すると、個々の保険料率は低くなるでしょう。 イメージとしてはこんな感じですが、実際には車種別の統計データをベースにして、科学、工学、医療的見解を加えて先述の「型式別料率クラス」を算出しているというわけで、イメージとは異なっている車種(型式)も多いようです。そしてその算出をおこなっているのは、国が「料率団体法」の施行とともに設立した「損害保険料率算出機構」という法人です。 全国の損害保険会社から提供されるデータを集めて分析をおこない、年に一度、料率の更新がおこなわれています。このデータは各保険会社に提供されますが、必ずしもこの料率をそのまま用いる必要はなく、各損害保険会社の方針でマージンを上下するなどして運用されているそうです(※もし目に余るくらい逸脱している場合は指導がおこなわれるようです)。