バトルの舞台はなんと東京ビッグサイト!「フォーミュラE 2024 TOKYO E-PRIX」で、サスティナブルなカーエンターテインメントの未来を感じた【週刊スタッフブログ 号外】
ドライバーとマシンの「密な対話」が勝敗を分ける?
レースは4割ほどが一般道で、残りは東京ビッグサイトの駐車場とそこに向かうアプローチを利用した、全長2.585kmの特設コースで行われました。仮説のフェンスが設置されているため、有料の特設観覧席から見る時も、基本的には金網越しとなりました。 15時スタートの決勝レースは、狭くタイトな特設コースゆえに抜きつ抜かれつ、という展開にはなりにくかった様子です。それでも、決してダラダラと一本調子の編隊走行が続くわけではなく、ほんの一瞬の隙をつくようにインをとり、アウトに被せ、ポジションを上げていく果敢な走りも披露してくれました。 ラグの極めて少ない電気自動車だけに急加速時の動きがシャープな印象で、後続が先んじようとする動きも、それを阻止しようとする先行マシンの反応も素早く、観ている方がある種の緊張感を覚えるシーンすらありました。接近する時やエネルギー回生時に響く独特の金属的なサウンドも、ドキドキを煽ってくれていたようです。 一方で、ただ速さで戦巧者を見せつけるだけではないところもまた、電気フォーミュラならではの面白さと言えるでしょう。エネルギーマネジメントとしての効率的な回生を使いこなすとともに、あえてパワーを高める時間(アタックモードと呼ばれています)を強制することで、速さと節約の塩梅にも頭を使わなければいけません。 レースには駆け引きが大切であることはいう間でもありませんが、フォーミュラEのそれはドライバーが人としてマシンを操るのと同時に、マシンがドライバーに「もっとスマートに走らないと、勝てないよー」と働きかけているようにも思えました。 決勝はそんな駆け引きが、勝敗を分けることになりました。結果としてはローランドが2位フィニッシュ。ポディウムの中央には、マセラティMSGレーシングのマクシミリアン・ギュンターが立ちました。
移動時間が少ないと言うことは、心にも環境にもたぶん優しい
アグレッシブでありながらしっかりチャンスをものにする、まさに「スマートなドライブ」が、勝利につながったようです。日常的な運転にも、もしかすると生かせる考え方と言えるかもしれません。 決勝が終わり、観客席から出口に向かう人波は、JMSの賑わいを凌ぐボリュームがありました。聞けば、それなりのお値段がする有料席も販売から3分で即完売、追加分も同じく3分で即完売だったとか? 人気の背景には、日本で初めての国際レースであったことと同時に、やっぱり「地の利」が大きかったような気がします。行きも帰りも、本当にラクチンですから。公共交通機関は、少し混んでいましたけど。 ワタクシ事ですがこの記事は観戦を終えてから、東京新橋の編集部まで戻って書いています。これがたとえば富士スピードウェイだったら現場(プレスルーム)で書いて、帰宅はおそらく日付が変るころ。今日はちゃんと、夕ご飯が自宅で食べられそうです。 ホント、近くて良かった。日常のそばに寄り添う非日常的時間を楽しむのは、移動がもたらすさまざまなストレスも含めて、もしかするととっても環境に優しいことになるのかもしれません。 ■2024 TOKYO E-PRIX 決勝リザルト 1位 マクシミリアン・ギュンター(Maserati MSG RACING) 53:34:665 2位 オリバー・ローランド(NISSAN FORMULA E TEAM) +0:00:755 3位 ジェイク・デニス(ANDRETTI FORMULA E) +0:01:405
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