NHK杯優勝の坂本花織、「まだまだ未完成」満足せず 「半端ない」日本女子のレベルアップも全日本選手権で最強証明
◇10日 フィギュアスケート グランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯(国立代々木競技場) 女子優勝の坂本花織(24)=シスメックス=ら上位入賞者と日本人スケーターが演技を披露した。最終滑走で登場した坂本は、全日本選手権が控える12月からのシーズン中盤戦に向けた意気込みを語った。 坂本はトリで深紅のドレスをまとい「ポイズン」に乗って観客を魅了。演技前のトークショーで五輪のプレシーズンであることについて聞かれ、「一試合一試合を大事にして戦っていきたい」と答えた。まずは、目の前の試合に集中する。その背景に、日本女子の国際舞台での躍進による突き上げがある。 坂本は言う。「ジュニアもシニアも、日本人のレベルの上がり具合が半端ない」。ここまでのGPシリーズ4戦での女子のメダル12個のうち、坂本の2個を含め日本人が10個を独占。GPシリーズ不出場のジュニア年代にも、坂本に次ぐ今季世界2位の合計224・68点を持つ島田麻央(16)=木下グループ=が控える。 「負けじとやらなきゃという気持ちになる。自分自身と戦って、自分のベストをどんどん更新していけば、おのずと結果もついてくる」と坂本。活況の日本女子が勢ぞろいする全日本選手権で、誰が最強かをいま一度証明したい。 NHK杯優勝直後の坂本は世界最高得点をたたき出した演技を「今の自分ができるベストなパフォーマンス」と評価。しかし「まだまだ未完成」と、満足はしてない。 向上の余地があるのは、中野園子コーチも同意するところ。優勝直後には「まだまだいける」と辛口評価し、「全日本に向けてもうひと絞りできる」。まな弟子を鍛え上げると宣言した。坂本も「ひたすらしがみつきます」と臨む。勝負の12月を勝ち続け「1番の最終目標」と語るミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪までの道筋をつかむ。
中日スポーツ