1.2L 3気筒ターボ「マイルドHV」登場! 3代目 プジョー3008へ試乗 快適志向の乗り心地と操縦性
若干力不足なHV マイルドな乗り心地と操縦性
確認はこのくらいにして、いざ発進。1.2Lマイルド・ハイブリッドに、EVモードは備わらない。軽負荷時などにシステムが独自に判断し、電気だけで短距離がまかなわれる。 システムとしては、2代目3008の後期型にも載っていたもので、いくつかの気になる点も受け継いでいる。条件次第でパワー不足を感じることと、高負荷時に洗練度へ影響が出ることだ。 車重は1573kgあり、0-100km/h加速は10.2秒。これは、約100kg軽かった2代目より、0.2秒のビハインドとなる。 とはいえ、市街地での印象は良い。静かで滑らかに動作し、気を使うことなく混雑した流れへ交われる。エンジンの始動・停止は穏やかで、パワー感も終始スムーズといえる。 一方で郊外に出ると、英国の一般道の制限速度、96km/hを保つには、アクセルペダルを深めに踏むことに。エンジンからは、頑張っている様子がノイズで伝わってくる。 乗り心地や操縦性は、全般的にマイルド。特に乗り心地は、このクラスのベストの1つといえる。稀に衝撃を吸収しきれない場面はあるものの、路面との隔離性は高い。頭がグラつくような揺れは殆どない。 ただし、大径ホイールとサマータイヤの組み合わせでは少し悪化する。インチダウンした、オールシーズン・タイヤとの違いは明らかだった。 ステアリングは正確で、反応を予想しやすく扱いやすい。しかし、ドライバーを誘惑するような感触は乏しい。軽くない車重もあって、若干おっとりした印象を筆者は受けた。ダイナミックな見た目ながら、敏捷性は高くない。
E-3008と同等の静的魅力 充実装備でコスパ高し
燃費は、英国の公道を複合的に走らせて16.5km/Lほど。印象的な数字ではないが、悪くはないだろう。電気モーターの出番が多い低速域では伸びるものの、高速道路では振るわないようだ。 英国価格は、アリュール・グレードで3万4650ポンド(約665万円)から。GTグレードは約3500ポンド(約67万円)上昇するが、英国市場ではこちらの方が人気だと予想されている。このクラスの最安値ではないものの、優れた装備でコスパは高い。 ちなみに、21インチのモニターパネルは、市場によってはオプション。英国仕様では、他に19インチのアルミホイールとアンビエントライトが標準で付く。 E-3008と同等の静的な魅力を、マイルド・ハイブリッドの3008は備える。車内は快適で上質。車載技術は充実し、車内空間も充分広い。ただし、若干力不足な先代譲りのパワートレインは、さほどエネルギー効率が高いわけではない。 乗り心地や操縦性は快適至高。ファミリーSUVとして妥当な着地点にあるものの、ドライバーを惹きつける走りではないだろう。止まっている時の充足感は、間違いなく高いけれど。 ◯:素晴らしいインテリア 便利で賢いショートカットキー 充実した標準装備 △:若干力不足のパワートレイン 平均点程度の燃費
プジョー3008 ハイブリッド136 e-DSC6 アリュール(英国仕様)のスペック
英国価格:3万4650ポンド(約665万円) 全長:4542mm 全幅:1895mm 全高:1641mm 最高速度:201km/h 0-100km/h加速:10.2秒 燃費:15.8-18.6km/L CO2排出量:122-143g/km 車両重量:1573kg パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター 使用燃料:ガソリン 最高出力:136ps/5500rpm 最大トルク:23.4kg-m/1750rpm ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)
マーク・ティショー(執筆) マット・ソーンダース(執筆) 中嶋健治(翻訳)