債券市場に飛び込め、「信用配分の黄金期」到来-KKRシェルドン氏
(ブルームバーグ): 米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRは、2024年は「信用配分の黄金期」の到来を告げていると指摘。様子見姿勢を続ける投資家は、完璧なエントリーポイントを見つけることに執着するのをやめ、債券市場に飛び込むべきだとの見解を示した。
KKRのクレジット・マーケッツ共同責任者、クリストファー・シェルドン氏は4日付の顧客向けリポートで、「利下げの時期と規模を予測するのは不可能だ」と指摘。「景気は減速しており、デフォルト(債務不履行)は増加するものの急増はせず、分散が増えて信用選別の機会が生まれるとの見方をわれわれは維持している」と記した。
「より高く、より長く」という金利見通しにより、「クレジット投資を行うのに適した時期」が訪れていると、KKRは指摘。ただ資産クラスによって利回りはさまざまなことから、しっかりとした選別が鍵になるとしている。「分散が進むにつれ、機敏さと特異なクレジット選びが極めて重要になりそうだ」とKKRは分析した。
KKRはローン担保証券(CLO)に妙味があると指摘。CLOを巡っては、ウォール街でも今後発行が伸びると予想する金融機関が増えている。
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シェルドン氏はCLOについて、「収入を増やし、利下げ時期を正確に捉えることへの感応度を相殺する」上で適した方法だと指摘。インタビューで同氏は、相対的に見てスプレッドは広がっていると語った。
シェルドン氏は格付けが低めでリスクのより高い債券を選ぶことに抵抗はないとし、KKRは劣後比率の高い「BB」格付けのCLOを買い入れているほか、KKRのCLOエクイティーを保有している。
「CLOの観点から見て、デフォルトが制御不能になることはないとの見方から現状ではメザニン・トランシェの購入が良いとわれわれは考えている。ただ引き続きマネジャーの選別は重要だ」とシェルドン氏は語った。