「松本人志は不在でも『M-1神』のような存在に」元人気芸人も驚愕した大会を決定づけたカギ2つとは?
ヤーレンズ点数伸び悩みのワケ
――そして二番手となったのは、ヤーレンズ。残念ながら点数は伸び悩んでしまいましたが……。 <ほんと、一二三選手……(笑)!残酷な結果にはなりましたが、この順番は視聴者的には見やすかったとは思いますよ。 私だったら、令和ロマンが大ハマりしたあの後では絶対にやりたくないです。でも、去年からのライバル関係であるヤーレンズのポジションなら、ポジティブに捉えることはできていたかもしれませんね> ――なぜ、こんなにも点差が開いてしまったのでしょうか? <完全に順番の妙です。令和ロマンにハマった余韻が、会場に強く残りすぎていました。 ヤーレンズのネタは子どもでもわかる内容の令和ロマンとは対照的で、「鈴木宗男」や「一握(いちあく)の砂(※石川啄木の短歌集タイトル)」など、少々難解なフレーズを物量で散りばめていました。誰かにとって深く刺さるポイントを数多く入れてくる、ヤーレンズの得意な手法です。ハイレベルなネタ同士でしたが、出順の妙で「どっちが良かったか」という単純比較になり、ネタのクオリティ以上に数字が大きく開いてしまったと思います>
真空ジェシカ、過去4回決勝進出歴で一番ウケ
――三番手は真空ジェシカ。まさか前年度の決勝メンバーがここで出揃ってしまうとは。 <完全にここまでは2023年の続きをやってましたね> ――とはいえ、今回の真空ジェシカは、これまで4回決勝進出した中で一番といっていい審査員ウケを獲得していました。 <審査員の若返りに加え、みんなが真空ジェシカの見方を理解したからだと思います。同時にネタがお客さんに親切になっていましたけど、それでも媚(こ)びている感じはないのも良かった。順番的にも因縁(いんねん)の二組を終えて、少し冷静に第三勢力として見れたのではないかと。 ただ、この三組を終えたところで「この先、どうすんの?」感は間違いなくあったと思います>
敗者復活のマユリカで流れは良かったが敗退
――四番手は敗者復活組。くしくも去年の決勝メンバーであるマユリカが勝ち上がってきました。 <一組目からメイン料理ばかりが続いて、一回お腹がいっぱいになっちゃったところでのマユリカ。ここで敗退となったのはもったいなかったですが、変に初出場組が出るよりは、流れとしては良かったと思います> ――マユリカは昨年の大会でつけられた「キモダチ」というキャッチフレーズが、お茶の間にすっかり浸透しました。 <そのお陰で平場の強さは発揮されていましたけど、敗者復活にまわったせいでネタ前の紹介VTRにそれが引き継げなかったのが残念でしたね>