梨田監督を直撃!「オコエをいつまで1軍に置きますか?」
オコエの今後のビジョンについて梨田監督を直撃した。 ――オコエは大丈夫ですか? 「高校を出たばかりで、木製バットもプロのスピードにも慣れていない状態で、キャンプのたった数日で、いきなり打てというほうが無理な話だよ。でもね。センスがあるから飲み込みが早いし、成長している。試合形式になると、必死の余り高校時代のバッティングに戻ってしまうことが怖いんだけどね」 ――1軍に残していますが、話題作りもあると思うんです。本音を言えば、長い目で見て、2軍で育てるつもりでしょう? 「いや、そうでもない。あの守備と足を見た? 反応の一歩目。ストライドとスピード。身体能力は凄い。あれだけでも使い道がある」 ――課題の打撃も? 「実戦タイプなのかもしれない。そういうバッターは、何かのちょっとしたきっかけでポンと変わる可能性がある。日々、成長しているし、プロの世界ってそういうところがあるからね。期待したいと思わせるものがオコエにはあるんだ。まあ俺の目が節穴なのかもしれないが(笑)」 オコエは、12日から沖縄本島の金武に場所を移す1軍の2次キャンプへの帯同も決まった。梨田監督の構想の中では、まだ開幕1軍からオコエの名前は消えていない。取材した山本昌氏が「身体能力が高くて守備と走塁ができるから、バッティングさえ形になれば、意外に早く1軍でプレーできるかもしれない」と私見を述べていたが、おそらく梨田監督の考え方も同じなのだろう。 受け答えもしっかりしていて、クレバーな点もプロで成功する選手の条件を満たしている。彼は「向上心を常に持ちながらバッティングに取り組みたい」と言った。バッティングの中身は、とうてい1軍のレベルにないが、梨田監督の期待通りに、ひょっとしてすればひょっとするかもと思わせる雰囲気があるのが、オコエの魅力かもしれない。守りと足だけで開幕1軍枠を獲得するのか。それが球団方針ならば、ありと言えばありである。オコエの開幕1軍切符を巡るサバイバルレースに注目である。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)