梨田監督を直撃!「オコエをいつまで1軍に置きますか?」
楽天のスーパールーキー、オコエ瑠偉(18)の評価が真っ二つに分かれている。キャンプイン初日のバッティング練習で、さっそく木製バットとプロのスピードの洗礼を受けて打球が飛ばず、池山打撃コーチは、マンツーマンで「木製バットの芯がどこにあるのか」から教え始めた。 「タイミング、ピッチャーの見方から、まあ全部だね。これまで高校時代に(打撃フォームを)触られたこともなかったというから。身体能力とセンスは抜群だが、攻走守で、一番低いレベルにあるのがバッティング。ただ、日々、進歩している」 打撃練習、初の紅白戦を取材したが、高校時代の思い切りのいいスイングは、すっかりと消え、その姿に苦悩ぶりがアリアリとうかがえた。本人は「課題ばかり」と言うが、プロのスピードに遅れまいとテイクバックをほとんど取らないから、左足のステップの動きが連動せずにせっかくの体のバネを活かしきれていない。 まずは基礎工事からスタートしている段階だろうが、オコエをどう育てたいのか、というビジョンも見えない。シュアなバッターに変貌を遂げて足を活かすのか。左中間、右中間を破っていく中距離タイプのクラッチヒッターなのか。池山打撃コーチが育てたヤクルトの山田哲人のようなパンチ力を備えたトリプルスリーを狙えるタイプの打者を目指させるのか。 楽天の某OBは、「テイクバックがなく足が動いていないからタイミングがとれない。バッティングって、動きながらボールを捉えるものだからね。下半身主導が基本だが、フォームのバランスが悪くてバラバラ。おそらく本人は、いろいろと言われて悩んでいるんだと思う。素材としては凄いが、プロの世界で成功するには時間はかかる。西田哲郎にしたって何年かかったの? 4年ですよ。すぐに1軍は無理でしょう」と、厳しい意見を述べていた。 紅白戦でも、遅れまいとバットを先に出そうとするので、どうしても上半身がつっこんで、ボールとの距離が近くなり、当てるのが精一杯。ファウル、もしくは、一塁方向へのポップフライという結果になっていた。第4打席で、左中間を真っ二つに割る三塁打を放った修正能力はさすがだが、打ったピッチャーは、昨年BCリーグに派遣されていた育成選手。ほとんど真ん中寄りの失投で、「持っている」ことは確かだが、バッティングに関しては、即1軍レベルではないだろう。 「おそらく、やることが山ほどあって消化しきれていないだろう。言われたことをすべてノートにつけろ言ってある。それを見ることで、整理もできるはず」 池山打撃コーチも、オコエの混乱を見極めつつ、練習ノートをつけることを薦めている。加えて、左の脇が開くという金属バットの癖を修正するために、ゴムチューブで左脇を固定してバッティングをさせていて、9日のフリー打撃ではその成果が出たのか、柵超えを23本マークした。