前総理の後援会『熊本岸田会』が無届けで政治活動か?担当者は「任意団体の認識」と説明 専門家の見解は
岸田文雄(きしだ ふみお)前総理を支援する目的で設立された『熊本岸田会(くまもときしだかい)』が、無届けで政治活動をしていた疑いが明らかになりました。 【写真を見る】前総理の後援会『熊本岸田会』が無届けで政治活動か?担当者は「任意団体の認識」と説明 専門家の見解は 「熊本岸田会」は2020年、当時の自民党の岸田政調会長を自民党総裁選で支援するため、熊本県内の関係者を中心に発足しました。 政治資金規正法では、特定の公職の候補者を推薦したり、支持したりすることを本来の目的とする団体は、選挙管理委員会に「政治団体」として届け出る必要があります。 またこの法律では、無届けの団体は政治活動のために寄付を受けたり支出をしたりすることも禁止していて、違反した場合は、5年以下の禁固または100万円以下の罰金が科される可能性があります。 ところが「熊本岸田会」は政治団体として熊本県選管に届け出ていませんでした。 さらに旧岸田派の ・馬場成志(ばば せいし)参院議員(熊本選挙区) ・藤木眞也(ふふじき しんや)参院議員(比例) ・金子恭之(かねこ やすし)衆院議員(熊本4区) が代表などを務める政党支部や後援会の「政治資金収支報告書」によりますと、この三つの団体は2022年4月23日に「会費」や「懇親会費」の名目で、それぞれ1万5000円ずつを熊本岸田会に支出していました。 事務所の所在地は、熊本市東区の馬場参議院議員の事務所で、熊本岸田会の事務担当者はRKKの取材に対し、「お金を残したり、政治団体に寄付したりすることを想定したものではないため、任意団体との認識だった」と説明。 2020年4月23日の会合の費用についても「集めたのは食事代で、すべてホテル側に支払った」と強調したうえで、今後は関係者と協議したうえで、誤解を招かないようにするため、政治団体として届け出る意向を示しました。 これについて、政治学が専門の熊本大学・伊藤洋典(いとう ひろのり)教授は「政治的な目的があり、金銭のやり取りもあるため、政治団体として届け出て透明性を確保すべきだ」と指摘しています。
熊本放送