わが家の相続財産に「山」があることが発覚! 管理が大変だと聞いたのですが、山だけ「相続放棄」はできないのでしょうか? 持っていてメリットはありますか?
山を手放す方法
山林を手放す方法としては、相続放棄や寄付、売却が考えられます。以下にそれぞれの方法について詳しく説明します。 ■相続放棄の手続き 相続放棄は、相続が発生したことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。相続放棄が認められると、その相続に関しては最初から相続人とならなかったものとみなされます。ただし、相続放棄をすると他の財産も相続できなくなるため、注意が必要です。 ■山林を寄付する方法 自治体や環境保護団体に山林を寄付することも可能です。ただし、寄付を受け入れてもらうためには、山林が有効に活用できる見込みがあるなど自治体の設定する条件を満たす必要があるでしょう。多くの自治体では、寄付の受け入れ条件が厳しいため、事前に相談することをおすすめします。 ■山林を売却する方法 山林を売却することも一つの方法です。ただし、山林の売却は宅地や商業地と比べて難しいことが多く、買い手を見つけるのが困難な場合もあります。以下に、山林を売却するためのいくつかの方法を紹介します。 1.専門業者に相談する 山林の売買を専門とする業者に相談することで、売却の可能性を探ることができます。森林組合や山林バンクといった専門機関に問い合わせてみるといいでしょう。 2.隣接地の所有者に交渉する 山林の隣接地の所有者に対して売却を打診するという方法もあります。法務局で隣接地の所有者を確認し、直接交渉することも可能です。 3.オンラインでの売買サービスを利用する 最近では、オンラインで山林の売買を仲介するサービスも増えています。こうしたプラットフォームを利用することで、広範な買い手にアプローチすることができます。
【2023年に施行!】相続土地国庫帰属法とは?
2023年4月から施行された相続土地国庫帰属法は、相続や遺贈により取得した土地を国に返却する制度です。一定の要件を満たす場合には、不要な土地を国に引き取ってもらうことができます。 なお、相続土地国庫帰属法により帰属ができない土地は次のとおりです。 ・建物がある土地 ・担保権や使用収益権が設定されている土地 ・通路や墓地内の土地など他人による使用が予定される土地 ・土壌が汚染されている土地 ・境界が明確でない土地 承認を受けるためには事前相談、申請書提出、実地調査などがあり、10年分の土地管理費用を負担する必要があります。
まとめ
山林の相続には多くのメリットとデメリットが存在します。相続放棄や寄付、売却、相続土地国庫帰属法の活用など、さまざまな方法を検討してみましょう。 自分や家族にとって最適な選択をするためには、弁護士や税理士など相続に関する専門家に相談することをおすすめします。 出典 法務省 相続土地国庫帰属制度について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部