わが家の相続財産に「山」があることが発覚! 管理が大変だと聞いたのですが、山だけ「相続放棄」はできないのでしょうか? 持っていてメリットはありますか?
「両親と相続について話し合っていたら、相続予定の財産に山が含まれていることが判明した」 帰省した際に初めて知ったそんな事実。「山の管理が大変だと聞いたけれど、本当に持っている意味があるのかな?」と疑問や不安を持つ人もいるでしょう。山林の相続にはメリットもデメリットも存在し、どちらが自分にとって適しているのかをしっかりと見極めることが大切です。 本記事では、山林を相続することのメリットとデメリットを解説するとともに、相続放棄を含め、山を手放すための具体的な方法についても紹介します。また、2023年に施行された「相続土地国庫帰属法」に基づく土地の新しい手放し方についても触れていきます。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
山を相続することのメリット・デメリットとは?
山を相続することには、さまざまなメリットとデメリットがあります。山林の相続を考える際には、これらの要素をしっかりと理解しておくことが重要です。以下に、山を相続する具体的なメリットとデメリットを洗い出してみました。 ■山を相続するメリット 1.山林を貸し出すことによる収益 山林の場所や広さによっては、自治体や林業関係の業者に貸し出すことで収益を得ることが可能です。自治体が山林の活用をサポートしている場合もあるため、役所で相談してみると良いでしょう。 2.木材の売却による利益 専門の業者に依頼し、山林内の木材を売却して利益を得ることもできます。 3.キャンプ場や地域振興の場として活用 近年のアウトドアブームにより、キャンプ場やレクリエーションの場として山林を活用することが可能です。町おこしや住民の親交を深める場として、地域に貢献できるでしょう。 4.太陽光発電の活用 広大な山林を利用して、ソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行うことも可能です。発電した電力は、電力会社に買い取ってもらうこともできます。 ■山を相続するデメリット 1.売却・収益化が難しい 山林は、宅地と比べて売却が難しく、買い手を見つけるのも容易ではありません。地目変更登記を行っても、売却価格は低くなる傾向があります。 2.管理の手間とコスト 山林は定期的に管理しないと荒れてしまい、隣接地への迷惑やトラブルの原因となります。管理は素人には難しく専門の業者を雇うことも多いため、固定資産税と合わせてコストがかかります。 3.子孫への負担 相続人が山林を引き継ぐことで、将来的にはその子孫にまで負担が及ぶ可能性があります。相続放棄しないと、次世代にも負担をかけ続けることになりかねません。