とんかつ屋で「脂を取り除け」と無理難題…“お客様は神様”が生んだ「カスハラ客」のヤバすぎる実態
快適な場の提供という使命感
飲食店は基本的に、快適な食事の場を提供するといった使命感から、店内であまり揉め事を作りたくないものだ。そういう弱みに付け込んで攻撃をしてくる悪意あるクレーム客や態度が横柄なカスハラ客はいる。有名店であれば、それ相当の金銭が要求できると勘違いする客もいる。 だが、相手が大きいほどそういう要求には乗らず、クレーム対応はマニュアル化され、手慣れたもの。誠意をもって謝罪はしつつもできること、できないことを明確に伝えて、前例主義で対応するものだ。逆に、個人店は早期に解決したがるからお金をすぐ払ってしまう。個人店の皆さんは注意しないといけない。
他のお客まで不愉快にするカスハラ客
カスハラ客の存在は、楽しく食事をしたいという他のお客様まで不愉快にするものだ。従業員だけでなく、総ての人を不愉快にするカスハラ客は本当に見苦しい。今までのお客様迎合主義が、お客さんをよりわがままにさせたのである。 だから、無理難題を当然のように言うカスハラ客もおり、自分だけのオリジナル商品を店側に作らせる客も出てくる。連れてきた客に、店がなんでも自分のいうことを聞くところを見せて、自分の力を誇示して自慢する馬鹿らしい客も存在する。 できないことは、できないとはっきりと断る勇気が必要である。そうしないとわがままを言う客の要求はどんどんエスカレートして歯止めが効かなくなる。それを放置すると、オリジナルメニューを作ってあげる人が多くなり、店の作業負担が増えるだけで利益率も低下し、何のために商売しているのか分からなくなる。 こんなワガママ放題のカスハラ客がいるから、飲食店で働く人が少なくなるのだと思う。ただでさえ、人手不足の飲食店だけに、毅然とした対応策を講じねばならない。
飲食店の経営を難しくする場合も
何を勘違いしているのか、自分の使用人のように店員を使う客もたまにいる。筆者の経験上、わざと異物を混入させて、歯が欠けたからと因縁をつけ金銭を要求するクレーム客、グラスの口が欠けていて口を切ったと口から血を流し、救急車を呼べと騒ぐグループもいた。 飲食店というのは基本的に救急車や警察を呼ぶことはあまりしない。もちろん、呼ばざるを得ない時もあるが、極力避けるのだ。なぜならば、快適な雰囲気で楽しく食事をされる目的のお客様に対して、店内の騒動で迷惑をかけたくないからである。 クレーム客やカスハラ客はこういう快適な食事場所を乱す目的に来られる人だから、そういう人達に無理難題を要求されても、店として毅然とした態度で、対応しないといけない。客とは、基本的にわがままなもので、日本は特に「お客様は神様です」とお客さんを持ち上げ迎合してきたこともあり、お金を使ってやるんだという態度の大きいお客さんを作ってきたのである。 30年以上にも渡るデフレで、お店は安く提供して当たり前といったお客さんの意識が浸透する中で、少しでも他店より多くのお客さんを集客したかったから、何事においても低姿勢な店が増えてきたのである。カスハラ対策に力を入れる企業やそれを後押しする法整備を機会に店と顧客と双方が変わってほしいものだ。