ハーフ女子はオリンピアンが爆走! 東京五輪代表・萩谷楓さん、圧巻V/淀川寛平マラソン
「フジパンPresents 淀川寛平マラソン2024」が15日、大阪・淀川河川公園で行われ、ハーフマラソンの女子では初参加の萩谷楓さん(24)=高砂市=が1時間10分37秒で大会記録を10分以上更新し、初優勝。2021年東京五輪女子5000メートルに出場した実力者が、寛平マラソンを経て28年ロサンゼルス五輪を目指す。男子は細沢幸輝さん(31)が自身が持つ大会記録を更新し、2連覇。 気温5度の淀川をさっそうと駆け抜けた。五輪経験者が圧巻の走りで大会記録を大幅更新し、大会の永久シード権も獲得。競技復帰へのステップとして初参加した萩谷さんが笑顔でゴールテープを切った。 「普段は一人で練習をしているので、こういうレースじゃないとピリッとしない感じがある。男子選手の力を借りながら走れたのでよかった」 一般ランナーがほとんどの寛平マラソンになぜオリンピアン!? 「実家(大東市)が近くなんですよ」と笑ったが、ちゃんと理由があった。 出場した2021年の東京五輪では5000メートルで当時の自己ベスト更新するも、予選敗退。同種目の日本歴代5位の記録を持つほどの実力者だが、昨年5月に突如、現役引退を表明した。 同年1月に肺気胸を患った影響で走れない時期があり、食事もままならないことも。「世界を目指せるような気持ちの状態じゃなかった」と陸上から離れることを決断。それでも距離を置いたことで「改めて走るのが好き」と再認識し、昨年夏に練習を再開した。現在は自分で練習メニューを組み、一人で兵庫県内の山などで一日平均約30キロを走って本格的な競技復帰を目指している。 その復活への機会として選んだのが今大会。そして来年4月の長野マラソンで自身初のマラソンデビューし、28年のロサンゼルス五輪にマラソンで出場することが次なる目標だ。 「やめてから2年くらいたつけど、いい休養は取れて心はもう走り出している。体はまだついてきていないけど、頑張ります!」。すがすがしい表情で汗を拭った萩谷さんの新たな挑戦は始まったばかりだ。(織原祥平) ■萩谷 楓(はぎたに・かえで) 2000(平成12)年10月10日生まれ、24歳。長野・佐久市出身。浅科中、長野東高を経てエディオンに入社。21年の東京五輪では5000メートルに出場するも予選敗退。昨年5月に引退を表明し、エディオン退社。7月以降に競技復帰に向けて練習を再開。5000メートルの自己ベストは14分59秒36。身長160センチ。