新型コロナ深刻な米国メジャーは6月か7月開幕を計画…プレーオフ出場チーム数増、中立地開催案も検討
米国は新型コロナウイルスの感染者数が8万5000人を超えて世界最多の感染国となり非常事態宣言が発令されているが、開幕が延期されているメジャーリーグ機構と、選手会は、開幕が延期されているシーズン運営再についての協議を行い大筋で合意に達した。 協議で議題に上がったのは、開幕する条件、日程、レギュラーシーズンの試合数、プレーオフの方式、ロスターの人数など。USAトウデイなどの米メディアによると開幕日は6月1日、遅くとも7月1日を目標としており、米国疾病予防管理センターからの“解禁”が出次第、選手はキャンプ地に再集合して2週間のキャンプをやり直して開幕に備えるという。そのキャンプ再集合は5月下旬を予定している。 またレギュラーシーズンの目標試合数については、機構、選手会は共に100試合を最低ラインとして考えており本来の162試合から22試合少ない140試合で、毎週、ダブルヘッダーを入れながら消化したい考え。それでも10月までずれこむ公算で10月にレギュラーシーズンの試合が数日以上行われるとなると、2001年の“9・11“以来となる。 またレギュラーシーズンの試合数が減ることで失う収益をカバーするためにプレーオフの参加チームをこれまでの10チームから増やしてプレーオフの試合形式を変えることも検討されている。敏腕で知られるジョン・ヘイマン記者は、「10チームから14チームへ拡大するかもしれない。これは何年も提案されてきたことだが、今が試してみる時かもしれない。収益だけでなくエキサイティングなゲームが増えることになる。ただ現時点では何も決定には至っていない」とツイートしている。
開幕ロスターは26人から29人に拡大か
そしてポストシーズンの試合の日程が11月にずれこむとチームによっては野球のプレーが難しい極寒の地での開催になるという問題が発生する。そのためフロリダ、西海岸などの温暖な場所か、屋内スタジアムといった中立地での開催も検討されているという。 NBCスポーツは中立地でのプレーオフ開催について「地元ファンのいない場所でのプレーオフを想像するのは難しい。だが、NFLは、毎年スーパーボウルを中立地で開催している。ただスーパーボウルは1試合でワールドシリーズは最大7試合という違いがある。それでも、温暖な1つの場所でプレーすることで、負担の大きい移動の必要がなくなり、試合を1週間にまとめて詰め込むことができるかもしれない」と評価した。 また開幕ロスターについても増員プランが練られており、USAトウデイのボブ・ナイチンゲール記者は、「シーズンを始める最初の月に各チームは、ロスター枠を26選手から29選手に拡大すると予想される」とツイッターで明らかにしている。 さらにESPNは、ジェフ・パッサン記者が合意内容の一部を入手。合意された開幕の条件を明らかにした。 記事によると、「ファンの前でのプレーが制限される大規模イベントの禁止令が解かれていること」「米国とカナダの渡航制限がないこと」「たとえ無観客試合を行う場合でも、選手、スタッフ、ファンに健康上のリスクがないと医療専門家が判断すること」を満たすことが開幕条件で、大規模イベント禁止令の解除が、州によって違う場合は、イベント実施が可能な中立都市での開催も視野に入れられているという。